グローバルに事業を展開する化学品商社兼メーカーのハイケムは3月27日、中国のバイオテック企業、楽清光語生物科技と戦略的パートナーシップ契約を締結したことを発表した。本契約に基づき、光語バイオテックが開発した、微細藻類培養設備「フォトバイオリアクター」及び微細藻類種苗について、日本を含む全世界での市場展開を開始する。併せて、同技術のライセンス供与および技術サポートも積極的に推進していく。
同社は、C1系SEG技術を基盤として、CO2を原料とした化学品製造における革新的な脱炭素技術の開発・商業化を推進してきた。また、ポリ乳酸(PLA)をはじめとする生分解性プラスチックなど、バイオマスプラスチックの社会実装に向けた取り組みも積極的に展開している。
今般の光語バイオテックとの提携は、光語バイオテックの革新的な製品・優良苗種の提供及びライセンス・技術支援をグローバルに展開するとともに、同社が展開するグリーンケミカルの社会実装を推進する各プロジェクトとの相乗効果の最大化を図っていく。
微細藻類は、水中生態系における一次生産者としての役割にとどまらず、次世代の産業資源として大きな注目を集めている。バイオ燃料の原料や次世代タンパク源、バイオプラスチック・化学品の原料として、さらにはCO2削減に貢献するカーボンニュートラルの切り札としても期待されている。こうした中、従来は困難とされてきた微細藻類の大量培養を実現する「フォトバイオリアクター」は、微細藻類を価値ある有機物として活用したい多様な研究開発機関から高い関心を寄せられている。
「フォトバイオリアクター」は、光とCO2を活用し、光合成により微細藻類を効率的に培養する設備。ガラスまたは特殊樹脂による密閉構造により、外部からの汚染(コンタミネーション)を防止し、培養環境を最適に保つことができる。これらの特徴により、これまで大量に培養できなかった微細藻類の効率的な生産を可能としている。