東拓工業(大阪市西区、中西俊博社長)の24年度売上高は前年度比2桁前後で着地する見通しで、主要3分野(工業用ホース、電設資材、土木資材)とも堅調であった。
工業用ホースはシェアアップにより増加した需要に対応することで、ホースの販売を増やすことができた。また、半導体関連では、半導体製造装置に用いられるホースは回復基調で動いてきたが、「ここにきてユーザーの注文も変調を来たし、先行きは不透明」(同社)としている。
電設資材も好調に推移する。国内で投資を進める半導体メーカーの工場やデーターセンター、無電柱化事業、テーマパーク周辺が動いている。昨年度は特需があり、その分の落ち込みを懸念していたが、「これらの分野で昨年度から上乗せすることができた」(同社)という。土木資材は、国土強靭化をキーワードに河川工事や復興工事に同社の大口径パイプへの注文が増えている。
製品展開では、耐摩耗用ホースの新製品「TACヘランシグナル」の訴求に力を入れていく。同製品はホースを使い続けると摩耗の度合いで色が緑色から黄色に変わる製品だ。ホースはユーザーごとに使用する頻度や流体が違うため、ユーザーがホースの摩耗度合いを把握するのが難しい。一方、同製品は色が変わるとホースの摩耗が進んでいることを教えてくれる。「ユーザーはホースが破れる前に新しいホースに切り替えることができるため、工場の予防保全にも貢献できる」(同社)と強調する。なお、同製品の使用用途は粉体・粒体搬送などを想定している。
工業用ホースでは、ホースとオリジナル金具の「しめTAC」とのセット販売にも力を注いでいる。同社はこれまで、「TACエコライン」や「ラインエース」「ラインパワーAT」用のホースにおいて、しめTACを用意している。今後は他のラインナップにもしめTAC対応品を増やすことで、販売を強化していく。
物流問題への対応では、スムーズな製品出荷を行えるように、各工場の製品在庫や各地にある物流倉庫の在庫を増やすなどの措置を講じている。また、配送方法も前日までに出荷量を連絡することで出荷漏れを防ぐ「当日受注分の当日出荷廃止」を電設資材を除いた全製品に導入した。「ユーザー様からの急ぎ案件は、代理店様や販売店様の在庫から対応いただいており、ご協力に感謝しています。」(同社)と述べている。
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