東洋紡入社式で社長が訓示 創業者渋沢栄一と企業理念

2025年04月02日

ゴムタイムス社

 東洋紡は4月1日、同日、同社本社にて開催の入社式において、代表取締役社長の竹内郁夫氏が新入社員に向けて、歓迎の意を伝えるとともに訓示を行ったと発表した。内容について、以下の通り。
 新入社員の皆に伝えたいこと(要旨)、1点目は、同社の企業理念『順理則裕(じゅんりそくゆう)』と創業者渋沢栄一。
 同社の企業理念『順理則裕(じゅんりそくゆう、なすべきことをなし、ゆたかにする)』とは、創業者渋沢栄一氏の座右の銘の一つ。世の中の困りごとを解決するため事業を行い、その結果として利益を得よという、現代のサステナビリティ(持続可能な社会の実現)にも通じる思想を150年前から持っていた。
 昨年、一万円札の図柄に渋沢氏が登場したのは、渋沢氏が単なる実業家ではなく、こうした先進的な理念を持っていたからだと思う。
 先日開館式のあった大阪・関西万博の日本館では、「循環」のテーマのもと、日本の考え方や素材技術が環境問題に貢献できることが示されていた。例えば、同社のコア技術に、ポリマー(高分子)とバイオがある。これを融合・深化させたバイオプラスチックや、プラスチックの分解酵素、バイオサーファクタントなどの新しい技術は、時代にマッチしている。皆と一緒にイノベーションを起こし、渋沢氏の志を実現していこう。
 2点目は、主体的に考え、仕事を楽しむ。皆は、人生の貴重な時間の多くを仕事に充てることになる。苦しく厳しい側面もあると思うが、せっかくなので是非仕事を楽しんでほしい。
 竹内代表取締役社長の経験を伝えると、仕事を楽しむためのコツとは「主体的に考え、前向きに行動する」こと。「自分事(じぶんごと)」として捉えることで、仕事の全体像、自分の役割等が見えてくる。
 ユーザーや同僚に喜んでもらえたときや、色々と工夫して何かを達成できたときに感じる「仕事」の面白さは格別。その満足感を早く体験してもらいたいと思う。
 苦手な業務を通じて自分の能力が広がることもある。未知の分野を避けずに、是非挑戦してほしい。
 3点目は、感謝の気持ちを忘れない。昨年は正月早々の能登半島地震に続き、各地で集中豪雨被害が出た。最近では大きな山火事も発生している。
 1995年の阪神淡路大震災当時には、代表取締役社長自身も西宮で被災した。30年経った今でも当時の状況を鮮明に覚えている。幸い無事だったが、寒く、不安で、不自由な環境のもとで家族と過ごしながら、自分たちは「生きているのではなく、生かされている」ことを実感した。
 私たちは、普通に仕事や生活ができることを当たり前のように思ってしまい、つい不平や不満が出てしまう。今一度、家族や親族、友人等、多くの周りの人に支えられ、今の自分があることを考えよう。多くの方への感謝を忘れないことが、謙虚さ、真摯さにつながる。「ありがとう」という言葉を大切にすることで、働きやすい職場、ひいては充実した人生が訪れると思う。
 入社してしばらくは緊張の連続かと思う。やがて仕事や職場に慣れ、仕事を通じて様々なことを身に付けながら、皆が成長していくことを大いに期待している。日々の挨拶はもとより、わからないことがあればいつでも周りに聞いてほしい。職場の先輩は、皆に質問されることを待っているはず。本日は、入社おめでとう。ご安全に。

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