2025年度新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。本日から、新社会人として、前途洋々の希望を持って、新たな人生の第一歩を踏み出されたことと思います。デンカグループを代表致しまして、心より歓迎申し上げます。
さて、新型コロナウイルスが世に出てから既に5年以上の月日が経ちました。コロナ禍は世の中を一変させるほどインパクトのある出来事でした。また、現在では米国でのトランプ政権の誕生、ウクライナやガザ地区に代表される地政学的なリスクの増大など、世界情勢はますます複雑化しております。加えて、化学産業は、脱炭素やサーキュラーエコノミーといった大きな課題にも直面しています。
当社は1915年に設立し、今年創立110年の節目の年を迎えます。その背景には、前年の1914年7月に勃発した第一次世界大戦がありました。それまで、欧州から輸入されていた石灰窒素などの化学製品の輸入量が激減し、これらの国内生産を増大させようとの機運が高まり、カーバイド及び石灰窒素の製造・販売を目的に事業をスタートさせました設立当初より、モノづくりを通して、社会に貢献することをモットーにしており、現在では、電子材料から合成ゴム、合成樹脂そしてワクチンや検査試薬などの医療分野に至るまでの幅広い事業を展開しています。
この様に、環境の変化にしなやかに対応し、社会に有益なものを生み出し貢献していくことが110年続く当社グループの歴史そのものであり、我々のDNAであると考えています。
当社では、2023年度より新たな経営計画「Mission 2030」をスタートさせ、そこでは経営計画の基盤且つ理念となる、新たなビジョンを制定しました。その中のコアバリューが、当社のDNAである「挑戦」「誠実」「共感」であり、今後皆さんが当社で働くうえで、日々のマインドセットや行動指針となるものです。ぜひ皆さんも、胸に刻み、大切にしていただければと考えています。
また、この3つのコアバリューを基盤として制定された、当社の存在意義であるパーパスが『化学の力で世界をよりよくするスペシャリストになる。』です。なぜこの会社で働いているのか、なぜこの事業をやっているのかという理由です。私たちの一つひとつの製品、一つひとつの仕事はこのパーパスを実現するためにあることを忘れずに、日々の業務に励んでください。
これらの大前提となるのは、「安全」そして「健康」です。「安全は全てに優先する」ということです。当社グループの一人ひとりが、この「安全は全てに優先する」を心に刻み、生産現場のみならず、すべての職場で事故・災害ゼロを目指すとともに、健康管理への認識を高めていただきたいと思います。
最後になりますが、私が昔から思っているいくつかのメッセージをお伝えしたいと思います。
1・目の前の仕事に邁進すること。
2・絶えず疑問を持ち、違った観点・発想から如何に効率的にするかを考える癖をつけること。
3・スピード重視で且つ行動することに重点をおくこと。
4・失敗を恐れず、失敗から学びを得ること。「知識」は読書などでも得られますが、「知恵」は経験から得られます。
5・自分で考え、自分で行動する「自律型」の人間を目指すこと。「指示待ち人間」「単なる評論家」にはならないこと。
6・楽しく仕事をすること。1日の約3分の1は仕事の時間です。睡眠を除けば、半分は働いていることになります。この時間が「やらされている」と感じるのはつまらないと思いませんか?仕事は楽しむことが重要だと思います。
以上、新入社員皆さんのご健闘を期待致しまして、私からの祝辞とさせていただきます。本日は、おめでとうございました。