JSRが23日発表した2012年3月期第3四半期連結決算は売上高が2593億3900万円、前年同期比1・6%増、営業利益290億6200万円、同2・9%減、経常利益320億1200万円、同0・1%減の増収ながら収益は微減となった。
エラストマー事業部門の売上高は、前年同期比10%増の1311億6400万円、営業利益は前年同期比49・9%増の149億6400万円となった。タイヤメーカーの旺盛な需要に支えられ堅調に推移するとともに、主要原材料価格の上昇に対応した価格改定も加わり、売上高は前年同期を上回った。合成樹脂部門は、期の後半は国内向け出荷に回復感がみられるものの、前半は震災の影響により自動車用途での販売が大幅に落ち込み、アミューズメント用途等でも需要が低迷した。
多角化事業部門は半導体製造用材料がスマートフォン、多機能携帯端末の世界的な拡大は見られたものの、パソコン需要の低迷によるDRAM生産減少に歴史的な円高要因も加わり、売上高は前年同期を下回った。フラットパネル・ディスプレイ用材料も液晶テレビ需要の低迷を受けたパネルメーカーの稼働率低下及び円高の影響により、売上高は前年同期を下回った。
合成ゴム事業の好調や先端半導体材料の健闘により3月通期の予想は変更なく、売上高は前期比8・6%増の3700億円、営業利益は同4・9%増の410億円、純利益は同1・6%増の280億円の増収増益を見込んでいる。
2012年01月23日