東洋紡は4月3日、同社が製造販売する業界最薄20μmのシュリンクラベル用PETフィルム「SC836ー20」が、このほどプラスチックリサイクルの国際的な業界団体であるThe Association of Plastic Recyclersより、リサイクル性能に関する認証(「APR Design for Recyclability」/「Critical Guidance Recognition」)を取得したことを発表した。プラスチックの減容化とリサイクルの促進に貢献する本フィルムについて、今後、積極的にグローバル市場での展開を図っていく。
シュリンクラベルは、熱収縮するフィルムの性質を利用して容器の形状に合わせて貼り付けられるラベル。密着性が高く、複雑な形状のボトルにも対応するシュリンクラベルは、容器のデザインの自由度を高めることができるとして、商品ブランドの個性などを訴求したい飲料用ペットボトルに広く採用されている。
同社は、業界最薄となる20μmのシュリンクラベル用PETフィルムを2012年に上市した。一般的なシュリンクフィルムの厚みが40~45μmであるのに対し、本フィルムは同等の性能のまま50%以上の薄肉化を実現。プラスチックの減容化に大きく貢献できることから、上市以来、飲料用ペットボトル向けを中心に好評を得ている。近年では、環境意識が高まる中、使用済みペットボトルを新たなペットボトルに再生する「ボトルtoボトル」リサイクルの進展に伴って、ラベル用フィルムにもリサイクル適性が求められるようになっている。
これを受けて同社は、長年培った製膜技術を駆使して、新たに業界最薄20μmのシュリンクラベル用PETフィルム「SC836ー20」を開発。同社独自の原料配合技術により、PETフレークの回収を阻害しない優れたリサイクル性を実現した。さらに、欧州などで今後の規制対象に挙げられるポリスチレンも不使用。このたび、本フィルムに対し第三者機関が実施した評価をもとに、APRにより審査が行われた結果、APRが定めるリサイクルに関する要求性能(「Critical Guidance Recognition」)に合致またはこれを上回ることが認められたとして、APRによるリサイクル性能に関する認証の取得に至った。
同社は、リサイクル原料を50%以上使用可能でありながら、PETボトル再生の際、容器との分別を不要とし、昨年APR認証を取得したシュリンクラベル用PETフィルム「ReCrysta」や、業界最高レベルのリサイクル原料使用率80%と業界最薄12μmを両立するPETフィルム「サイクルクリーン」をはじめとする、さまざまな環境配慮型の容器ラベル用フィルムをラインアップしている。今後、全世界で環境意識がますます高まる中、「SC836ー20」のグローバル市場への展開を図るとともに、同社の幅広い環境配慮型フィルム製品の提供を通じて、循環型社会の実現に貢献できるよう努めていくとしている。