バンドー化学は4月1日、本社事業所において2025年度の入社式を執り行い、正社員登用を含む新入社員59名(昨年実績58名)がが出席した。式典で植野富夫社長は新入社員にぜひ心掛けてほしいこととして次の3点を話した。
1つ目は、「自分自身を磨き続ける」ということ。皆さんは学校などで勉強してきた知識や経験をもっている。これらは当然ながら仕事を進めるうえで基礎になるものと思う。一方、今後皆さんが出会う仕事の多くは、これまで学んだ知識だけでは対応できないことが数多くある。また、世の中も変化していくなかで、これまでの常識が通用しなくなり、新しい考え方を習得して対応していかねばならないことも多くあると思う。大事なことは、「謙虚に学ぶ」ということだ。謙虚さを失うと、学ぶ機会を逸し、やがて成長は止まる。自分にはまだまだ分からないことがある、知らないことを学びたいという謙虚な姿勢があってこそ、学び続けることができるものと思う。
一方で仕事だけの人間になってほしいわけではない。休日などプライベートの時間には皆さん自身の好きなことを存分に楽しんでほしい。好奇心を持って、自分が知らないことにも積極的に触れていくことで感性が磨かれ、人としての魅力が高まるからだ。
また、自分自身を磨くには、心技体のバランスが大切になる。いくら多くの知識やスキルを持っていても健康な心と身体が伴わないと、その能力は発揮できない。反対に、いくら熱い思いがあっても、それを具現化し、実行に移すためには多くの学びやスキルを高めていく必要がある。心技体を磨くことは、やがて自分の成長と喜びに繋がる。ぜひ、皆さんも、仕事を通じ、また社会を学びの道場として、謙虚に楽しみながら、自分自身を磨き続けてもらいたい。
2つ目は、「正解は自分で導き出すこと」。昨今、世の中は多くの情報で溢れかえっている。情報がとりやすくなっている一方で、真実が何なのかが見えにくくなっているのもまた事実になる。情報を入手することよりも、情報をどのように取り扱っていくのか、がとても重要。表面的な情報を鵜呑みにせず、自ら現場に足を運び、自分自身の目で確かめる。そして、なぜなのだろう?という自問自答を繰り返す。このように、自ら主体的に動き、思考を働かせながら自分自身で事実を確かめて正解を導き出せる人になってもらうことを期待している。皆さんは、学生時代において、正解が用意された問題に対し、それを解くための知識やテクニックを身につけられたと思う。もちろん、それも大事だ。ただ、これから始まる実社会においては、正解が一つでないことも多くある。
また、今、正解だと思っている方法も、実はもっと良い方法があるかもしれない。激しく変化する時代と価値観のなかでは、今日の正解が明日の正解であるとは限らないかもしれない。簡単に答えは出ないかもしれない。だからこそ考え続けることで、自分自身で正解を導き出せる人に成長してほしい。
3つ目は、「失敗を恐れず主体的に行動すること」。皆さんのこれからの長い人生、会社生活において、常にうまくいくことばかりでなく、ミスや失敗をしてしまうこともあると思う。誰しも、出来るだけ失敗を避けたいと思うだろうし、失敗した時は辛い気持ちになるだろう。でも、それを回避することばかりを考えていては、結果として何の成功も導きだせない。
考え抜いて、必要な準備を怠らないことは必要だが、やってみないと分からないことは、主体的に行動を起こしてみてほしい。誰かに与えられるのを待つのではなく、自ら変えていくのだという気持ちで行動してほしい。その結果、失敗することがあっても構わない。どんな成功も失敗の経験なくしては、手に入るものではない。皆さんには、失敗を恐れずに主体的に行動することで、大いに会社を楽しんでいただきたいと思う。
2025年04月04日