帝人フロンティアは4月7日、同社、エステム、積水アクアシステム、日新技術コンサルタント、愛知県田原市の5者の共同研究体が実証した「災害時に応急復旧対応可能な汚水処理技術」について、国土交通省が実施する下水道革新的技術実証事業(BーDASH プロジェクト)において、令和7年1月に国土交通省 国土技術政策総合研究所より技術導入ガイドライン(案)が策定されたことを発表した。
近年、下水処理場が自然災害により被災し、水処理機能が完全に喪失する被害の発生頻度が増加している。また、国内の人口減少問題における下水道事業の施設設計の観点からも、将来は人口減少が見込まれるものの、現状は水量増加のある地域の流入量減少時への対応など、計画的に下水処理能力の増減に細やかに対応することが大きな課題となっている。
こうした中、本実証技術は、調達が容易で可搬性に優れ、現地で組み立てが可能なパネルタンクと特殊繊維担体を組み合わせた生物処理槽、クラウド型遠方監視装置から構成され、資機材の運搬・組み立て・解体の容易性・下水処理性能の早期立上げを特徴としており、災害時の水処理機能の復旧への導入を想定している。
また、従来技術であるオキシデーションディッチ法と比較し、BOD容積負荷0・6kgーBOD/m3・日条件下で安定した処理が可能であるため、反応槽のダウンサイジング化が期待され、災害時の応急復旧だけではなく、将来人口減少が想定される地域の処理能力の増減への対応や小規模処理施設の改築・更新時の適用も可能。
実証技術の導入例として、災害時における応急復旧への適用、将来人口減少が想定される地域への適用 ①増設計画を持つ処理施設 ②統廃合が求められる処理施設、小規模処理施設の改築・更新時への適用 ①処理系列全体の改築・更新 ②部分的な処理施設の改築・更新、使用後の移設・転用 ①災害対応用の備蓄 ②将来人口減少が想定される地域への移設・転用 ③小規模処理施設の改築・更新時の移設・転用があげられている。