モルテンは4月8日、免震建築に用いる高減衰積層ゴム支承を開発し、国土交通省より建築基準法第37条に基づく指定建築材料の大臣認定を取得したと発表した。
同社製高減衰積層ゴム支承MHR1500は、東京都市大学の西村功名誉教授と共同開発したもので、日本免震構造協会にて、免震材料としての安全性・耐久性・品質管理などの性能評価を受け、2025年2月7日付で国土交通省の大臣認定書を取得している。
これを受け同製品のさらなる普及に向けて、2025年4月1日より販売および営業活動を本格的に開始した。
同社は今後も、理論・実験・実績に基づいたモノづくりで技術革新を進め、常に幅広い分野での可能性を追求しながら、安全で持続可能な社会の実現に寄与していく。
同社製高減衰積層ゴム支承MHR1500は、免震構造の主要部材として建物の安全性を向上させる製品。ゴムと鋼板を交互に積層する構造を持ち、上下方向の支持機能と水平方向の地震エネルギー吸収機能を兼ね備えている。中低層の建物に最適に設計しており、高い免震性能と安定した品質を実現している。
従来の免震構造用部品は一品生産の少量多品種が主流で、耐震偽装問題の要因となっていた。同製品は、建物の規模に応じて形状やサイズを変えるのではなく個数を調整することで設計する方式を採用し、「積層ゴムの製造+品質管理」と「構造設計+施工管理」の分離を実現。これにより、量産時の品質の均一化と管理の効率化を達成した。
大臣認定取得に向けた取り組みと技術的成果は2点。1点目は、各種機能試験の実施。基本性能確認試験、限界変形確認試験、圧縮限界強度確認試験、鉛直剛性確認試験、引張限界強度確認試験、温度依存性確認試験、ひずみ依存性確認試験、クリープひずみ確認試験、振動数依存性確認試験と実施している。2点目は、独自の高減衰材料と改ざん防止システムの開発。高減衰性能の向上と品質管理の信頼性を高めるため、自社材料開発とデータ改ざん防止システムを導入した。自社材料開発でオリジナル高減衰性能を実現し、検査部門の内部統制の確立、データアクセス権限の厳格化、記録と履歴の保管、二次元コードやデータの要約を使った改ざん防止の仕組みを構築した。
2025年04月10日