ダイセル、「森になる建築」が完成 大阪・関西万博で休憩所に

2025年04月10日

ゴムタイムス社

 ダイセルは4月8日、同社が協賛、協力し、竹中工務店が2025年日本国際博覧会の会場敷地内「大地の広場」で、2024年8月より3Dプリンターで建築を進めていた「森になる建築」が完成したことを発表した。
 本建築物は、最先端の3Dプリント技術と手づくりの技を融合させた、環境に配慮した新しい建築の形を提案するもの。直径4・65m、高さ2・95mの建築物2棟で構成され、会期中(2025年4月13日~10月13日まで)は来場者の休憩施設として活用される。

 「森になる建築」は、生分解性を有する同社の酢酸セルロース樹脂「CAFBLO」を3Dプリンターで出力して建設され、外装には、手すき和紙や植物の種をすきこんだ「シーズペーパー」を使用している。また、建物の周囲には緑化も施され、使用後に廃棄物とならず、自然に還る革新的な建築を実現した。

 「森になる建築」の建築地は、万博会場敷地内大地の広場、設計施工は竹中工務店、工期は2024年8月~2025年3月、大きさは、直径4・65m、高さ2・95m、棟数は2棟、構造は酢酸セルロース造、主要仕上材は、(外装)紙、植物の種子・苗、(内装)酢酸セルロース表し、(床)三和土となる。
 酢酸セルロースは、植物由来の「セルロース」と自然界に存在する「酢酸」を原料として製造される、天然由来かつ生分解性を持った環境にやさしい素材となる。また、木や綿花などの非可食性材料を主原料としているため、将来懸念される食糧問題に対して影響を与えない。同社は長年主力製品として取り扱っている酢酸セルロースの海洋生分解性を改めて評価し、様々なプラスチック製品に適用できるよう可塑剤との組合せにより酢酸セルロース樹脂「CAFBLO」のラインナップの拡大を進めている。

完成写真 左:外観 右:内観

完成写真 左:外観 右:内観

 

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