帝人は4月14日、同社が展開するバイオマス由来のポリカーボネート樹脂が、デジタルカメラなどの光学機器を展開するシグマのカメラ用交換レンズの鏡筒の一部に採用されたと発表した。
バイオマスPC樹脂を用いた鏡筒で構成されたカメラ用交換レンズは、今年度の上半期中に販売開始される予定となる。
シグマは、レンズおよびカメラの製造販売を行う1961年創業の光学機器メーカー。神奈川県の本社および唯一の生産拠点である福島県の会津工場を拠点に、サプライチェーンを含めたすべての生産活動を日本国内で一貫して行っている。
85ヵ国以上の国・地域で展開しており、製品に用いる素材の選定から開発・設計・製造工程に至るまで、環境負荷の低減に配慮した技術を積極的に採用するなど、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを進めている。
シグマのカメラ用交換レンズの鏡筒の一部には、石油由来のPC樹脂が使用されているが、このたび、石油由来のPC樹脂に代わってバイオマスPC樹脂が採用された。採用されたバイオマスPC樹脂は、持続可能な製品の国際認証のひとつであるISCC PLUS認証に基づいたマスバランス方式を適用している。
バイオマスPC樹脂は、原料であるバイオマスナフサ由来のビスフェノールA(BPA)が、石油由来のBPAと同等の物性であることから、石油由来のPC樹脂と同等の物性を有している。そのため、鏡筒に用いる素材のスムーズな切り替えを可能とし、早期の製品化を実現した。
同社は、製品のライフサイクル全体における温室効果ガスの排出量削減などの環境負荷低減につながるソリューションの提供を進め、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」を目指すとともに、持続可能な社会の実現に貢献していく。
2025年04月15日