住友ゴム、CO2年千トン削減へ 白河工場に水素製造設備導入

2025年04月17日

ゴムタイムス社

 住友ゴム工業は4月15日、白河工場に設置した再生可能エネルギー由来の電力で水素を製造する装置「やまなしモデルP2Gシステム」を4月より稼働を開始したと発表し、同日装置の公開を行った。
 発表会には福島県の内堀雅雄知事、山梨県公営企業管理者の落合直樹氏、白河市長の鈴木和夫氏など多数の来賓が臨席した。
 お披露目会に登壇した山本悟社長は関係者に感謝を示した上で「当社は2025年から2035年までの長期経営戦略「R・I・S・E・2035」を策定し、ゴムから生み出す新たな体験価値をすべての人に提供し続けることを目指している。これからも水素を作る使うの二刀流で持続可能な社会の実現に貢献していく」と話した。
 同社はタイヤ製造時のカーボンニュートラル達成に向けた取り組みとして、蒸気で熱と圧力を加えてタイヤの加硫を行う加硫工程での水素エネルギーを活用した技術の確立を目指してきた。
 「やまなしモデルP2Gシステム」は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から助成を受け同システムの開発を統括してきた山梨県との合意のもと、同社が同システムを導入し活用を推進している。太陽光発電などの再生可能エネルギーを活用して水を電気分解することで、環境負荷の少ないグリーン水素を製造する。
 P2Gシステムの導入は安定的な水素供給を実現し、今後さまざまな産業分野において脱炭素化を加速させる技術として、国内外で大きな期待が寄せられている。
 白河工場ではP2Gシステムを24時間稼働させることで年間最大約100トンの水素の製造が可能となり、輸送を含むサプライチェーン全体で年間約1000トンのCO2排出量削減につなげていく。
 同社ではNEDOおよび福島県から支援を受け、2021年8月から2024年3月にかけて、白河工場において水素を活用したタイヤ製造の実証実験を実施してきた。
 実証実験では、再生可能エネルギー先進県である福島県内の水素

全文:約1466文字

関連キーワード:

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー