日本ゼオンのグループ企業で、医療機器の製造販売を手掛けるゼオンメディカルは4月16日、日本発の革新的な医療機器を表彰する「第13回Medtecイノベーション大賞」を受賞したと発表した。
受賞対象となった内視鏡用カテーテル「ゼメックス先端可動カニューレ」は、滋賀医科大学と共に開発し、2022年に発売開始した製品で、カテーテルの先端部分が2方向に急峻に屈曲することが最大の特長となる。これにより、複雑に分岐し、かつ形状の個人差が大きい胆管等への挿入時間の短縮が期待される製品となる。
Medtecイノベーション大賞は、医療機器の設計・製造において国内企業による革新的な医療機器を表彰する目的で2012年に創設された。なお、同社グループが「Medtecイノベーション大賞」を受賞するのは初となる。
同社は、IABPバルーンや胆管ステントなど、主に循環器系、消化器系の医療機器の開発から製造、販売までを手掛ける国産医療機器メーカー。「ゼメックス先端可動カニューレ」は、内腔に通した駆動ワイヤにより、先端部を2方向に屈曲できる製品で、ERCP検査や内視鏡的胆管処置時に使用される製品となる。従来は、可動機構を有しない製品が多く、可動機構を有するものでも「折れやすさ」や「屈曲角度の小ささ」、「狭い管腔内では屈曲性能を活かせない」といった課題を抱えていた。
こうした課題を解決するゼメックス先端可動カニューレの開発に成功し、これによりカテーテルやガイドワイヤを目的部位にスピーディかつ安全に誘導させることが可能となり、検査、治療時間の短縮を図ることが期待される。
ゼメックス先端可動カニューレの主な特長は2点。1点目は、先端可動性と耐キンク性。先端の屈曲部素材にePTFEを採用することで、優れた耐キンク性を確保し2方向への急峻な屈曲が可能となる。2点目は安定した屈曲性能と高耐久性。屈曲しない本体部と屈曲する先端部をシームレスに成形することで、耐久性を保ちつつ、安定した屈曲性能を発揮する。
ゼオンでは、中期経営計画STAGE30における重点分野の1つに「医療・ライフサイエンス」を掲げており、同社が手掛ける医療機器の提供により、人々の更なるQOL向上に貢献していく。
2025年04月18日