旭化成のフレキソ樹脂版が採用 ドンキのパスタパッケージに

2025年04月21日

ゴムタイムス社

 旭化成は4月18日、同月より、総合ディスカウントストア「ドン・キホーテ」を運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスの「ヤバ盛りパスタ」シリーズのパッケージ印刷において、水性フレキソ印刷に使用する樹脂版として、同社の水現像フレキソ印刷樹脂版「AWP」が採用されたと発表した。
 同社は、佐川印刷と協業し、水性フレキソ印刷と水現像版「AWP」の組み合わせにより当該パッケージにおける最適な印刷条件を確立した。佐川印刷の試算によれば、国内パッケージ印刷の主流である油性グラビア印刷と比較して、印刷工程からのCO2排出量を約60%削減できる見通し。
 水性フレキソ印刷は、溶剤インキを多く使用する油性グラビア印刷に比べ、一般的にVOC排出量が少ないこと、またインキ中の顔料の割合が高く、使用するインキ量が半分程度で済むため、乾燥工程で消費されるエネルギーが少ないことが知られている。さらに印刷樹脂版においても、水現像版は水をベースにした現像液を使用するため、VOCを含む有機溶剤の使用を避けることができ、これに伴うCO2排出削減効果も期待ができる。
 現在、日本国内のパッケージ印刷においては溶剤インキを使用した油性グラビア印刷が主流となっているが、近年は環境への意識の高まりからフレキソ印刷が注目されており、特に印刷プロセスで有機溶剤をほぼ使用しない水性フレキソ印刷への関心が高まっている。
 このたび、「ヤバ盛りパスタ」シリーズのパッケージにおいて、水性フレキソ印刷と水現像版「AWP」の組み合わせ技術による水性フレキソ印刷が採用となった。
 同社は、「世界の人びとのいのちとくらしに貢献します」をグループミッションに掲げており、今後も水性フレキソ印刷および水現像版「AWP」の普及に努め、パッケージ印刷の現場から有機溶剤を無くすことで印刷現場の環境負荷を低減し、持続可能な社会の実現に貢献していく。

ヤバ盛りパスタシリーズ

ヤバ盛りパスタシリーズ

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