錦城護謨は4月21日、経済産業省特許庁が主催する「令和7年度知財功労賞」において、特許庁長官表彰(デザイン経営企業)を受賞したと発表した。
授賞式は4月18日に行われ、石破茂内閣総理大臣も出席。特許法公布140周年を記念して、産業財産権制度の普及や発展に大きな貢献をした企業、またその制度を活用して地域経済の発展に顕著な成果を上げた企業に対し、内閣総理大臣感謝状が贈られた。
今回の知財功労賞では、大阪府からは5社が受賞した。岡本は、知財活用企業(商標)として経済産業大臣表彰を受賞、カプコンは、知財活用企業(商標)として特許庁長官表彰を受賞、同社は、デザイン経営企業として特許庁長官表彰を受賞、サイエンスは大阪・関西万博特別賞を受賞、積水化学工業は、知財活用企業(特許)として特許庁長官表彰を受賞した。
同社は「自分たちの技術に誇りを持ちたい」という思いから、自社ブランド「KINJO JAPAN」を立ち上げた。デザインは、単なるビジネスプロセスを整える手段にとどまらず、企業文化や社会貢献を深く考慮した総合的な概念として捉え、問いを通じて物事を本質から考える姿勢が評価された。
また、「世の中の当たり前を変え、社会に貢献する会社であり続けたい」という信念のもと、クリエイターと共にインナーブランディングを行いながら商品開発を推進。自社の技術力と素材を活かした「KINJO JAPAN」のシリコーンロックグラスは、他にはない独自のデザインを追求した。
さらに、2015年の発売以来、公共施設、病院、オフィスビルなど国内でシリーズ累計1200ヵ所以上に導入されている視覚障害者歩行誘導マット「歩導くんガイドウェイ」では、凹凸のない表面と、なだらかな傾斜を採用することで、視覚障害者をはじめ、車いす利用者や肢体不自由者、高齢者、ベビーカー利用者など、あらゆる人々が自由に移動できるユニバーサルデザインを実現。意匠も取得しており、その革新性が高く評価された。
同社は2007年にバリアフリー推進課を設立し、創業89年のゴム部品製造技術を活かした開発力と技術力を強みに、視覚障害者の移動支援および関連ビジネス展開に取り組んでいる。同社が製造・販売しているゴム製歩行誘導マット「歩導くんガイドウェイ」、トイレ誘導ライン「ガイドレット」、仮設用歩行テープ「ココテープ」は、合理的配慮の実現を後押しするツールとして、今後さらに社会に普及していくことが期待されている。
2025年04月24日