BASFと萩原工業が共同開発 人工芝用のポリオレフィンヤーン

2025年04月24日

ゴムタイムス社

 化学イノベーションの世界的リーダーであるBASFと日本の大手合成繊維メーカーである萩原工業は4月22日、サッカースタジアム、野球場、テニスコートなどのスポーツアリーナで使用される、人工芝用の高耐久性ポリオレフィンヤーンの開発に取り組んできたが、両社は3年以上にわたる共同研究開発の結果、人工芝の耐久性を大幅に向上させ、太陽光によるダメージを受けにくくし、鮮やかな色合いを維持する、Tinuvinグレードを用いた先進的なフォーミュレーションを開発したと発表した。
 BASFの耐候安定剤製品群は、紫外線を無害な熱エネルギーに変換し、太陽の有害な影響から保護する傘のような役割を果たすように設計されている。紫外線の中にはポリマーを攻撃し、強度や伸び特性を損なうものも含まれるが、適切なTinuvinグレードを使用することで、このようなラジカル反応を効果的に防ぐことができる。
 萩原工業は、この先進的なフォーミュレーションの添加剤をヤーンの製造工程に組み入れることに成功し、10年相当の耐久性を備えた人工芝の製造に成功した。萩原工業の本社がある岡山県のJリーグに所属する「ファジアーノ岡山」が管理するグラウンドには、同社のフラットヤーンが採用されており、高い評価を得ている。
 イノベーションの信頼できるパートナーとして、BASFは常に可能性の限界に挑戦している。BASFの包括的な耐候安定剤製品群は、人工芝以外にも、建設用防水ターポリン、高荷重に耐え得る防水シート、スイミングプールのカバーなど、条件の厳しい屋外用途に対し多彩なソリューションを提供する。BASFの革新的なソリューションにより、プラスチック業界のパートナーは高性能かつ耐久性に優れ、コスト効率の高い製品を提供することができる。

競技場用高耐久性人工芝用ヤーンの開発で協力

競技場用高耐久性人工芝用ヤーンの開発で協力

萩原工業宇高悠祐氏、 BASF渡辺大氏

萩原工業宇高悠祐氏、 BASF渡辺大氏

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