GSIクレオスが南仏に支店設立 化学品事業の研究開発拠点

2025年04月25日

ゴムタイムス社

 GSIクレオスは4月24日、グループで展開するグローバル化学品事業の中長期的な発展を目的として、同社のドイツ法人であるGSIヨーロッパ社の支店として、南フランス・コートダジュール地域圏のグラースに化学品事業の研究開発拠点を設立したことを発表した。

 世界の塗料・コーティング市場の規模は、2023年には2065億ドルと評価され、2032年までに年平均成長率4・5%で成長すると予測されている。その一方で、業界ではM&Aにより技術力や市場シェアの拡大を図る企業が増加しており、新興国の台頭も相まって市場の競争は一層激化している。さらに消費者の健康・環境意識の高まりや欧州を中心とする化学品の規制強化により、企業には環境や人体に配慮した持続可能な製品開発が求められている。

 このような状況下で同社グループが市場競争力を高めるためには、顧客の事業成長に資する新たな顧客提供価値の創出が必須であるとの考えから、従来の仕入れ・在庫・販売のビジネスモデルから脱却し、顧客の課題や業務プロセスをふまえた最適な製品・サービスの組み合わせを提案するビジネスモデルに転換を図るため、このたびフランスに研究開発拠点を設立することとした。フランスは化学品業界の世界主要地域であり、拠点を構えるグラースはカンヌやニースと同じ南東部に位置する都市で、高度技術集積地として知られている「ソフィア・アンティポリス」に近接している。ソフィア・アンティポリスには世界中から2500以上の企業が誘致され、従業員は約44500人、さまざまな分野の先端研究に携わる研究者は約5500人に上るとされており、このエリアは化学分野の高度な研究施設を置くには最適な環境といえる。また世界で最も環境規制が厳しい欧州に研究拠点を構えることが、低毒性や低VOCなどの環境対応ニーズに即応した製品開発に適していると判断した。

 今後はグループ内に研究開発機能を備えることで、顧客の新規処方開発支援や課題解決に向けた提案など、世界中の顧客ニーズに応える価値やソリューションの創造・提案を推進し、業界における同社のプレゼンスを高めるとともに、同社グループが注力するグローバル化学品事業の競争力強化と持続的な成長を実現していくとしている。

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