東ソーと新潟大学大学院医歯学総合研究科は4月24日、糖尿病の合併症の早期発見、障害程度の把握を可能にする新規尿バイオマーカー探索とその検出技術の開発を加速するため、2018年に新潟大学に設置した共同研究講座「生体液バイオマーカーセンター」の設置期間を更新したことを発表した。
東ソーは、腎臓病研究で優れた研究展開をしている新潟大学と、2018年4月より腎障害などの新規尿検査法の開発および評価に関する共同研究講座を設置しており、カルテ情報と紐づいた大規模な尿検体バンクの整備、糖尿病合併の腎障害の新規尿バイオマーカー開発につながる技術開発を行ってきた。
新潟大学は、2013年度より「なんでも尿検査」プロジェクトを開始、2015年度に生体液バイオマーカーセンターを設置し、同センターは2018年に共同研究講座となって研究体制が強化された。定量プロテオミクス法を尿中タンパク質の網羅的解析に採用し、それに特化した技術開発を行ったことで、3000種類以上のタンパク質の正確な定量が可能になり、これまでに腎障害の新規バイオマーカーを発見している。
この度の共同研究講座の更新により、さまざまな病気の患者や健常者の尿検体を約6年間継続的に収集し構築した、世界最大級の尿検体バンクの利活用を促進し、新規尿バイオマーカーの探索とその検出技術の開発を加速、強化する。
東ソーは、長年の診断・計測事業経験に加え、研究開発で培ってきた分離精製技術・微細加工技術・タンパク質改変技術などを駆使し、腎障害などの革新的な新規尿検査法を開発するとともに、これを用いた新規診断事業の創出を目指す。今後もヘルスケア分野のイノベーションを見据えた技術開発を加速させることで、人々の健康的な生活の実現に貢献していくとしている。