信越化学　ベトナムにＬＥＤパッケージ材料生産拠点

　信越化学工業（株）（本社東京、森俊三社長）は、ベトナム社会主義共和国に、高輝度ＬＥＤパッケージ材料の生産を目的とした新会社　Ｓｈｉｎ-Ｅｔｓｕ　Ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃｓ　Ｍａｔｅｒｉａｌｓ　Ｖｉｅｔｎａｍ　Ｃｏ．，　Ｌｔｄ．と、レア・アースマグネットの主原料であるレア・アースの分離精製を目的とした新会社Ｓｈｉｎ-Ｅｔｓｕ　Ｍａｇｎｅｔｉｃ　Ｍａｔｅｒｉａｌｓ　Ｖｉｅｔｎａｍ　Ｃｏ．，　Ｌｔｄ．の２社を設立した。投資額は総計50億円（高輝度ＬＥＤパッケージ材料30億円、レア・アース分離精製20億円）で、前者は２０１３年３月、後者は２０１３年２月の操業開始を予定している。

　同グループがベトナムに生産拠点を設けるのは初めて。ベトナムに生産拠点を持つことにより、今後も経済成長が期待される同国ならびに近隣諸国の需要を捉えることができる。また、高い教育水準と勤勉な国民性による優れた労働力、生産に必要な社会基盤を検討した結果、ベトナムが本投資を行うに最も適しているとの結論にいたったという。

１）Ｓｈｉｎ-Ｅｔｓｕ　Ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃｓ　Ｍａｔｅｒｉａｌｓ　Ｖｉｅｔｎａｍの事業について
　同社は、高輝度ＬＥＤパッケージ材料の封止材、リフレクター材（反射材）、波長変換フィルムなど次々と新製品を上市している同分野でのトップメーカー。
　アジアは各国にＬＥＤ製品の工場が数多く立地し、中長期的にも大幅な成長が見込まれることから、今回ベトナムでの封止材およびリフレクター材の生産を決定した。さらに、本拠点では、今後ＬＥＤパッケージ材料の製品を逐次投入し、生産の拡大を図る予定。世界市場の中で最も旺盛なアジア市場の需要を　取り込むと共に、従来の群馬事業所（群馬県安中市）と併せた生産拠点の複数化によるリスク分散も実現し、世界一のＬＥＤパッケージ材料事業をさらに磐石なものとする。

＜高輝度ＬＥＤパッケージ材料　新会社の概要＞
①社名：　Ｓｈｉｎ-Ｅｔｓｕ　Ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃｓ　Ｍａｔｅｒｉａｌｓ　Ｖｉｅｔｎａｍ　Ｃｏ．，　Ｌｔｄ．
②所在地：ベトナム、フンイエン省　第二タンロン工業団地
③敷地面積：５万ｍ^２
④代表者：深田明男
⑤主な事業内容：ＬＥＤ用封止樹脂とＬＥＤ用リフレクターの製造、販売
⑥稼働時期：２０１３年３月（予定）

２）Ｓｈｉｎ-Ｅｔｓｕ　Ｍａｇｎｅｔｉｃ　Ｍａｔｅｒｉａｌｓ　Ｖｉｅｔｎａｍ　Ｃｏ．，　Ｌｔｄ．の事業について
　同社ではこれまで国内で独自の技術により、レア・アースの分離精製と、レア・アースマグネットの加工工程で発生する磁石粉や回収マグネットからのレ　ア・アースの精製を行なってきた。これをさらに拡大増強するために、ベトナムでのレア・アースの分離精製工場の新設投資を決定した。
　ベトナムの分離精製工場では、まずマグネットからのレア・アースの回収精製を行い、さらに、世界各地で開発が進められているレア・アース鉱山から産出するレア・アース原料の分離精製も検討していく。

＜レア・アース分離精製　新会社の概要＞
①社名：　Ｓｈｉｎ-Ｅｔｓｕ　Ｍａｇｎｅｔｉｃ　Ｍａｔｅｒｉａｌｓ　Ｖｉｅｔｎａｍ　Ｃｏ．，　Ｌｔｄ．
②所在地：　ベトナム、ハイフォン市　Ｄｉｎｈ　Ｖｕ工業団地
③敷地面積：８万ｍ^２
④代表者：　坂下英之
⑤主な事業内容：レア・アースの分離精製
⑥稼働時期：２０１３年２月（予定）

　なお、今回同社がベトナムに進出するにあたり、同国のＤｏａｎ　Ｘｕａｎ　Ｈｕｎｇ在日特命全権大使から、「信越化学工業株式会社のベトナムへの進出の決定を歓迎いたします。現在は日越関係のたいへん良好な発展段階であり、ベトナムへの日本企業からの進出にふさわしい時点です。貴社のご成功をお祈りしております。」とのメッセージを受領した。