日本ゴム工業会は1月開催の理事会において、事務局が資材関係の最新動向を報告した。
〈原油、ナフサの動向〉
WTI、ドバイ原油並びにシンガポールナフサ価格の2010年1月以降12年1月の月間平均値の推移を見ると、原油価格は、イランの核開発に関する情勢緊迫化を背景に、WTIを主体に上昇を示している。
ここへきて、イラン原油の禁輸措置が遅れていることや欧州の財政危機から下落しているが、1月の月間平均値は、WTIが5月以来の100㌦台、ドバイ原油も7月以来の110㌦台となっている。
年間平均値では、11年は10年比でWTIがプラス16㌦、ドバイ原油がプラス28㌦の高値となり、12年1月はこれを上回る水準となっている。
一方、ナフサ価格であるが、11月までは下落傾向にあったが、シンガポール価格、東京オープンスペック価格ともに上昇。国産ナフサ価格は、昨年7―9月期は5万4900円と4期ぶりに下落し、10―12月期も5万2000円前後に続落の見通しとなっているが、年間平均では、10年に比べると11年は国産ナフサ価格で9200円の高値水準となっている。
〈東京相場・天然ゴム価格の動向〉
天然ゴムは、11年2月の異常値からは下落しているが、11月以降は260~270円台と下げ止まりの傾向。年間平均で見た場合は、11年は10年に比べて50円以上の高値となっているが、12年1月は当限が255・4円、先限は272・8円、市中相場は265円となり、10年の年間平均値に比べても低い水準。
〈合成ゴム等の主要原材料の出荷動向について〉
塩ビ樹脂は7月以降、合成ゴムとカーボンブラックは、3月以降は前年割れの月が続いている。12月の指数は依然、全品目が100を上回っている。指数が一番高いのは天然ゴム(166・5)であるが、一時よりは下落。以下、C重油(157・2)、合成ゴム(148・3)、フタル酸系可塑剤(147・1)、A重油(147・0)、塩ビ樹脂(138・8)、カーボンブラック(137・0)、酸化チタン(128・7)、熱延薄板(113・7)、有機ゴム薬品(113・8)、トルエン(112・4)、冷延薄板(112・1)となった。
前月比では、A重油(プラス3・5%)とトルエン(プラス1・4%)の2品目が上昇、下落したのは合成ゴム(マイナス3・2%)、天然ゴム(マイナス1・9%)、フタル酸系可塑剤 (マイナス1・6%)、冷延薄板(マイナス0・3%)、熱延薄板(マイナス0・2%)、塩ビ樹脂(マイナス0・2%)の6品目、残り4品目は横ばいとなった。