日本ゴム工業会は理事会において、2012年の新ゴム消費予想量を発表した。この予想は、主要製品(業種)別に検討された新ゴム消費予想最をもとに、同会が総合策定した。2011年のゴム工業での新ゴム消費量は3月11日に発生した東日本大震災の影響で、国内自動車生産が大幅に減少したことや秋口のタイの洪水の影響を受け、新車用需要を中心に前年水準を割り込んだが、主力の自動車タイヤで市販用が、また、コンベヤベルトも好調に推移し、全体では144万5300㌧、前年比0・4%と微増の見込みとなった。なお、08年比では87・5%、過去最高となった07年比では86・1%の水準。
一方、12年は146万8800㌧、11年実績見込み比では101・6%の予想となった。
主要製品別の新ゴム消費予想の内訳は次の通り。
▽タイヤ類(120万640㌧、前年比100・4%)
自動車タイヤ・チューブの新車用は、国内自動車生産の増加が見込まれるため、東日本大震災の影響で大幅減となった前年を上回ると予測した。市販用は、トラック用で引き続き震災の復興需要が見込まれるが、乗用車用などの需要増は一時的なものと見て、全体では前年を下回ると予測した。輸出用は、欧州および北米向けの減少により、前年を下回ると予想。
▽工業用品類(24万7250㌧、前年比107・9%)
ゴムベルトは、主力のコンベヤが内需は横ばい、資源国の需要が更に増大して輸出が大きく伸長すると予測。伝動ベルトは、タイの洪水や円高による影響を受け、第1四半期は低調ながら、第2四半期より徐々に回復する見込み。
ゴムホースの生産量は、高圧用ホースは引き続き土木建設機械、工作機械向けの需要増が見込まれ、自動車用も震災やタイの洪水による落ち込みから回復し2ケタ増、その他用は横ばいの予測。
その他の工業用品は、自動車関連製品の回復を見込み、防振ゴムやゴム板・パッキン類、スポンジ製品、ゴムライニングがプラスの予想。防舷材は公共事業の需要予測が厳しくマイナス見込み、ゴムロールも需要先の業況が好転せず、前年並みの予想。