バンドー化学の2011年3月期中間連結決算は自動車生産の拡大に伴い海外市場が伸長し売上高 は前年同期比23%増の427億500万円となり、収益面では増収による売上総利益の増加に加え、総原価低減が寄与し、営業利益は同219・4%増の30 億3600万円、経常利益も同206・7%増の30億7800万円と大幅な増益を達成した。現預金を厚めに持つと同時に有利子負債を圧縮した。
自動車用伝動製品は国内外における自動車生産の堅調な回復により、同社グループの主力製品であるリブエースなどをはじめとする補機駆動用ベルトやオートテ ンショナなどの補機駆動用システム製品の販売が、前年同期に比べ大幅に伸長。また、新興国のスクーター需要が大きく増加し、スクーター用変速ベルトの販売 が、前年同期に比べ大幅に伸長した。
一般産業用伝動ベルトは、射出成形機や半導体製造装置などの需要回復により、シンクロベルトおよびプーリの販売が、前年同期に比べ大幅に伸長。また、設備 稼動率の向上により、産業機械用Vベルトの補修市場における販売も、前年同期に比べ大幅に伸長した。これらの結果、売上高は257億16000万円、利益 は40億3100万円となった。
[マルチメディアパーツ事業]
マルチメディアパーツ関連製品は、電子写真出力機器の生産が回復基調にあり、主力製品であるクリーニングブレード、高機能ローラー、精密ベルトの販売が前 年同期に比べ大幅に伸長した。売上高は56億1700万円、利益は5億6300万円となった。
[産業資材事業]
運搬ベルト製品は、鉄鋼・セメント市場における需要の減少と価格競争の激化により、コンベヤベルト、急傾斜用ベルトの販売が前年同期に比べ大幅に減少。一 方、樹脂コンベヤベルトは、食品加工市場、物流市場の回復により、販売が前年同期に比べ伸長。売上高は85億1700万円、利益は4億9300万円となっ た。
[化成品事業]
化成品事業は、建築資材や装飾表示の市場が持ち直してきており、建築用フイルム、装飾表示用フイルム、工業資材の販売が前年同期に比べ伸長。売上高は23億6600万円、利益は1億9100万円となった。
通期連結業績予想は、世界的な景気回復による自動車市場や一般機械市場の需要増を受け、伝動ベルトや自動車製品が順調に推移していることから、前回発表予想を上回る見込みで上方修正した。
アジア地域で能力増強
海外売上高比率39%に 中間期では4輪、2輪用の伝動ベルト需要が韓国、タイ、中国、インドを中心としたアジア地域での海外販売が大きく増加した。アジ ア地域での売上高は130億5300万円、前年同期比74・7%増、その他37億3100万円、同1・4%増となっており、海外売上高合計は167億 8400万円、同50・5%増と5割の伸長を見せた。
特に2輪用はタイ、インド、インドネシアなどでスクーター用の伸びが顕著で、この結果、海外売上高比率は前年同期の32・1%から7・2ポイント拡大し39・3%と4割に達する勢いで拡大されている。
同社ではこうした海外での需要増に対応、タイ、中国、韓国での生産能力増強を進め、自動車用、2輪用ベルトの生産量をグローバルに本数ベースで3割強アップさせる。2010年度の設備投資額は51億円を見込んでいる。