バンドー化学 12年第3四半期決算 タイ洪水影響で増収減益

2012年02月13日

ゴムタイムス社

 バンドー化学の2012年3月期第3四半期連結決算は、売上高が655億800万円、前年同期比2・8%増の増収となったが、原材料価格の高止まりや長引く円高の影響に加えて、タイにおける生産活動の一時停止の影響を受けて、営業利益は32億8800万円、同22・1%減、経常利益は31億3800万円、同25・9%減、四半期純利益は4億2400万円、同86・3%減と大幅な減益となった。
 〈伝動事業〉 
 自動車用伝動製品は、震災による期初の自動車の大幅減産ののち、回復基調にあったが、9月からのタイの洪水に伴う現地自動車メーカーの稼働停止などの影響を大きく受け、主力製品であるリブエース、オートテンショナーなどの補機駆動システム製品の売上が減少した。一般産業用伝動ベルト製品は、国内の射出成型機や半導体製造装置などの製造機械の需要回復、震災の復旧に係る設備補修や新設に伴う需要増もあり、産業用Vベルトの売上が増加した。
これらの結果、売上高は405億5500万円、同3・5%増、セグメント利益は49億7000万円、同15%減となった。
〈マルチメディアパーツ事業〉 マルチメディアパーツ関連製品は、震災により被害を受けた足利工場は、早期に震災前の生産能力を取り戻したが、欧米の経済環境の停滞感から電子写真出力機器業界における生産・在庫調整、更には、タイの洪水に伴う顧客のタイ工場における操業停止の影響を受け、主力製品であるクリーニングブレード、高機能ローラおよび樹脂製品の売上が減少した。これらの結果、同事業の売上高は69億5600万円、同18%減、セグメント利益は4億7400万円、同57・4%減となった。
〈産業資材事業〉
 運搬ベルト製品は、鉄鋼・セメント市場における需要の持ち直しや、国内外の大型物件の獲得により売上が増加。軽搬送用ベルト製品は、食品加工メーカーへの販売が堅調に推移したが、一方、鉄道軌道製品や籾摺りロールなどの工業用品の売上は減少した。
 これらの結果、同事業の売上高は133億1400万円、同14・5%増、セグメント利益は9億9100万
円。同174・6%増となった。
 〈化成品事業〉 
化成品事業は、装飾表示用フィルムの売上が増加したが、建築資材用フィルムや医療関連のフィルム製品および軟質テープなどの工業資材製品の売上が減少した。これらの結果、当事業の売上高は37億1900万円、同3・2%増、セグメント利益は3億1900万円、同0・2%減となった。

 

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