三菱重工業は2月3日、搬送システムやゴム・タイヤ機械などの事業を担う新会社を4月1日付で発足させると発表した。
新会社は、同社機械事業部の搬送システムやゴム・タイヤ機械事業などを会社分割により同社100%出資子会社のエムイーシーエンジニアリングサービス(MEC)に承継させると同時に、広島菱重エンジニアリング㈱と㈱リョーセンエンジニアズを統合して発足する。
三菱重工とMECは吸収分割契約、MECと他のグループ会社2社は吸収合併契約をそれぞれ締結した。これにより、厳しい市場環境の変化に対応した俊敏で強靭な事業体制を構築、事業の強化と収益基盤の安定化をはかっていくとしている。
本社は広島市西区に置き、主な事業として、搬送システム、ゴム・タイヤ機械のほか、製鉄機械上流設備、化学機械、その他製品の販売・設計・製作・据付・アフターサービスを手掛ける。
資本金は10億円。発足時の従業員数は約800人で、社長には㈱リョーセンエンジニアズ社長の飯田和男氏が就任する。
MECは搬送システムのアフターサービスを中心に制御系製品や海洋関連製品などを営むエンジニアリング企業。また、広島菱重エンジニアリングはゴム・タイヤ機械や大型製缶品の溶接・組立などを、リョーセンエンジニアズは搬送システムなどの詳細設計や構造設計などをそれぞれ手掛けてきた企業で、いずれも同社100%出資子会社。
新会社の事業のうち、搬送システムやゴム・タイヤ機械は生産の海外シフトを推進、国内は営業・エンジニアリングの拠点として体制強化をはかる。また、製鉄機械上流設備は開発に注力し、関連装置の製品化を加速。化学機械は設計強化をはかって、大型の化学機械や熱交換器の製造を拡大する。
同社機械事業部は、これまでに主力製品である製鉄機械を2000年に、また、コンプレッサを2010年にそれぞれ本体から切り離して事業会社化するなど、連結経営を推し進めている。今回の新会社発足はこれらに続くもので、同社とグループ会社に分散していた諸機能を統合するとともに、重複業務を廃して、スピーディで効率的な事業の展開を目指す。
2012年02月07日