景気回復が生産統計にも着実に表れている。日本ゴム工業会が経済産業省統計に基づきまとめた本年上期(1―6月期)のゴム製品生産実績(確報)によると、 主力の自動車タイヤ生産のほかゴムホース、工業用品類が高い伸びを示したほか、ゴムベルトも上期では前年同期比プラスとなり、医療用品、運動用品を含め生 産はプラスとなった。 これまでの生産推移をみると08年10月以降、前年実績を下回る状況に陥り、世界的な景気回復に伴い、概ね09年4月前後から各品目で減少幅が縮小し た。そして、09年12月には自動車タイヤ以外が15ヵ月ぶりにプラスとなり、タイヤは本年1月にプラスに転じた。全体の生産量は今年1月に10・9%増 と16ヵ月ぶりに前年実績を上回り、以降は着実に伸長している。 上期の生産実績をみると、全体では69万2846㌧、前年同期比33・0%増、出荷金額は1兆640億9900万円、同30・2%増と生産出荷とも3割の伸びを確保している。 大手、中堅の上場ゴム企業の4―6月期決算がほぼ出揃ったが、売上高は合計で前年同期比36%の増収となっており、市場の回復が表れている。収益面は前 年が不況の厳しい時期でもあり、大方の企業が赤字決算となったが、今期は黒字転換を果たした企業が多く、営業利益、経常利益ともに数字的にはV字回復と なっている。 信金中央金庫が調査した中小企業の4―6月期業況については、業況判断DIが前期比7・6ポイント改善、5四半期連続の改善となり、緩慢だった改善基調 もやや強まった感が見受けられる。収益面では前年同期売上額および収益の判断DIがそれぞれマイナス26・4、マイナス28・3と前期比10ポイント超の 大幅改善となった。また、設備投資実施企業割合は16・5%と前期比1・4ポイントと小幅ながら上昇した。
2010年09月07日