横浜ゴムは、コンパクトな橋梁用ゴム支承「VS―1(ブイエスワン)」を開発した。 独自の構造設計により、ゴム支承ならではの追従性を保ちながら従来品に比べ約2倍の25N/mm2という高面圧を実現し、装置の小型化を図った。 こうした特徴により、新設だけでなく老朽化や損傷した橋梁の改修用途も視野に販売を強化する計画。
橋梁用ゴム支承は橋桁と橋脚の間に設置され、橋桁の荷重支持、橋桁のたわみや伸縮の吸収、免震などの役割を果たす。「VS―1」はゴムと鋼板を交互に積み重ねた円形の積層ゴムの周りを筒状のスチール(ポットプレート)で壁のように囲んだ独自設計を採用(特許申請中)。これにより、ゴム支承ならではの回転追従性と高面圧化によるハイレベルな荷重支持性能が同時に得られるようになっている。また、ポットプレートが積層ゴムの過度な変形を拘束するため、高面圧下でもゴムのひずみが少なく内部鋼板への負荷が低減される。このため鋼板を薄くでき、製品のコンパクト化を可能にした。さらに、万一の大地震などで許容範囲以上の負荷が加えられた場合には上部プレートとポットプレートを締結するボルトがまず破断し、ポットプレートと取付部材との間に隙間ができる構造とした。 こうした工夫を施すことでメンテナンスを要する箇所であることが外から簡単に視認できるようになり、安全性と作業性が向上した。同社では「VS―1」のような特徴を持った製品と従来品を組み合わせた提案型営業によって市場開拓を進めていきたいとしている。