日本ゼオンは8日、2011年3月期第3四半期連結決算を発表したが、タイヤ用合成ゴムの販売が堅調に推移し、価格の値上げも浸透した結果、増収増益となった。
売上高は1994億1900万円、前年同期比1・1%減、営業利益は284億5900万円、同6・2%増、経常利益は271億3600万円、同8・6%増、四半期純利益は160億3200万円、同17・1%増となった。第3四半期としての純利益は過去最高。
営業利益は前年同期対比16億7300万円の増額となったが、これは各セグメントにおける価格差(215億円)、コストダウン効果(24億円)がプラスに働き、販売増(48億円)、為替差損(47億円)などの減益要因をカバーした。コストダウン効果は「ZΣ運動」による徹底したコスト削減が寄与し、今年度の目標は33億円のコストダウンを見込んでいる。
合成ゴム販売は、自動車関連部品向けで震災などによる自動車生産減の影響があったものの、タイヤ向けでは顧客の需要が好調、また原料価格に応じた価格改定実施などにより販売数量、売上高とも前年同期を上回った。輸出は国内販売同様に価格改定を行ったが、荷繰り販売調整の実施等により販売数量、売上高ともに前年同期を下回る結果となった。
セグメント別の売上高では、エラストマー素材事業は1340億1400万円、同4・0%増、営業利益252億8800万円、同20・3%増、高機能材料事業は売上高373億1000万円、同2・7%減、営業利益20億8800万円で同60・4%減の大幅な減益。その他事業の売上高は295億9200万円、同16・3%減、営業利益は10億6100万円で149・7%増となった。
通期の連結業績は、売上高2600億円、営業利益320億円、経常利益300億円、当期純利益190億円と従来予想を据え置いた。
2012年02月13日