東洋ゴム工業の2012年3月期第3四半期連結決算は、売上高2416億6300万円、前年同期比6・7%増、営業利益115億8900万円、同10・4%増、経常利益89億8300万円、同11・9%増の増収増益となった。四半期純利益は41億600万円で同19・4%減の減益となった。
経常利益段階での増減要因は、販売要因で185億円、コスト合理化13億円、工場操業度13億円、営業外損益良化・他2億円など合計211億円がプラス要因となり、原材料価格仕入れコスト167億円、為替差損21億円、販管費増13億円など計201億円がマイナス要因となり、差し引き9億5000万円の増額となった。
<タイヤ事業>
売上高は1842億4700万円、同10・5%増、営業利益100億2200万円、同26・2%増。
国内自動車生産台数の回復に伴い、国内新車用タイヤ需要は増加傾向にあるが、第2四半期までの落ち込みが大きく、販売量・売上高とも前年同期を下回った。震災による生産本数の減少などの影響により、国内市販用の販売量は前年同期を下回ったが、値上げの実施や冬用タイヤの販売が好調に推移し、売上高は前年同期並みを確保した。
海外市販用の北米市場は、値上げや積極的な販促活動の展開により販売量・売上高ともに前年同期を上回った。一方、欧州市場は、震災による生産本数の減少が影響し、販売量・売上高ともに前年同期を下回った。アジア市場は販売量・売上高ともに前年同期を上回った。
<ダイバーテック事業>
売上高は573億8100万円、同3・7%減、営業利益は11億1200万円、同54・5%減。
自動車用防振ゴムおよび自動車用シートクッションは、震災の影響に加え、タイにおける洪水被害により自動車メーカーが大幅な減産となったため、売上高は前年同期を下回った。鉄道車両用空気バネおよび鉄道車両用防振ゴムは、国内外で世界的景気減速による受注減が影響し、減収となった。断熱資材分野は、震災の復興需要として仮設住宅や冷蔵倉庫向けの硬質ウレタン原液の販売が急増。防水資材分野は、下期に入り需要回復傾向にあるものの第2四半期までの落ち込みが大きく、減収。
産業資材分野は、業界の景気回復基調に伴い標準防振ゴム・道路資材用ウレタン商品の販売が好調に推移し増収。建築資材分野は、建築免震ゴムの引き合いが震災後、増加したことに加え、震災の復興需要により建設用ホース類の販売が好調に推移した。
通期の連結業績予想は、前回予想を上方修正した。ネガティブ要因としては原油価格の高止まり、欧州債務問題に起因する景気の低迷・ユーロ安で、ポジティブ要因では国内スノー商戦の好調推移、北米の景気減速幅の小幅推移などによる。