消費や国内設備投資、住宅着工の冷え込みをよそに、一部国内景気が復しつつある、との指摘を耳にし始めた。 一例を挙げると、先日東京で開催された分析・科学機器展は、来場者が昨年比で2割アップの2万5000人と盛況だ。 広い幕張会場の6ホールを使った同展の場合、初の合同展だった点を差し引いても人出は多く、取材で訪れた分析・科学機器の老舗大手、ヤマト科学の理事・ 長谷田哲二 第一営業統括部長は、大手メーカーの研究開発投資性向は確実に回復基調にあると指摘。低空飛行が続く国内の生産財設投状況を尻目に、V字回復 が顕著な東アジア向け外需が堅調な伸びを見せている模様だ。 こうした潮目の変化を受け、同社も商機を逃さぬよう展示ブースを増やし、顧客ニーズを取りこぼさないように努めている。 すでにR&D関連設備投資は、世界展開する大手製造業を中心に、上向きつつあるといえる。理化学機器最大手の島津製作所の巨大ブースは、それをよく物語っているのでは。
2010年09月15日