三菱樹脂㈱(本社東京都中央区 吉田宏 社長)は、ハムやソーセージなどの食品包装を中心に広範な分野で使われている共押出多層フィルム「ダイアミロン®」において、トウモロコシなどの植物のでんぷんから得られるL-乳酸から合成されるバイオマスポリマーであるポリ乳酸(PLA)を原料の一部に使用した環境配慮型の「ダイアミロンMF Pタイプ」を開発し、2月中旬より販売を開始した。 熱成形で凹みを持たせたボトムフィルムとフラットのまま使用されるトップフィルムの組み合わせで構成される包装形態深絞り用途において、植物由来プラスチックを原料に使用した製品は、業界初となる。なお、本製品は、ハム・ソーセージ大手メーカーのプリマハム株式会社が発売する「キッチンライフシリーズ」の包装材として採用されている。
昨今の環境意識の高まりを受け、食品メーカー各社は、包装材の使用量削減など、より環境に配慮したパッケージの採用に積極的に取り組んでいる。そのような状況のなか、同社は、業界トップブランドである共押出多層フィルム「ダイアミロン®」において、植物由来プラスチックのポリ乳酸(PLA)を原料(25%以上)に使用した「ダイアミロンMF Pタイプ」の開発し、販売を開始した。開発においては、強度にやや劣るポリ乳酸(PLA)層の物性を補うために、フィルム構成の設計と特殊な原料配合により、従来品とほぼ同等レベルの耐久性を確保した。植物由来のプラスチックを原料の一部に使用することで石化原料(枯渇性資源)の使用量削減と温暖化ガスの排出抑制につながるため、より環境に配慮された包装フィルムといえる。なお、本製品は、日本バイオプラスチック協会(JBPA)が認証する「バイオマスプラマーク」を取得している。
また、本製品は、プリマハム株式会社が3月1日に全国販売を開始する「キッチンライフ ロースハム」及び「キッチンライフ ベーコン」の2品目のパッケージとして採用されることが決まっている。
同社は、三菱ケミカルホールディングスグループが提唱する人、社会、地球にとっての快適を併せ持ったもので、真の持続可能な状態「KAITEKI」の実現を目指して、これからもユーザーのニーズに基づく環境配慮型包装資材の積極的な開発・商品化に取り組んでいく。