JSR(株)(小柴満信社長)は、台湾で液晶ディスプレイ(LCD)用材料を製造販売しているJSRマイクロ台湾(JSR100%出資、台湾雲林県中部科学工業園区) において、研究開発機能の強化を目的とした研究開発棟の建設を進めていたが、この度竣工し開発センターとして稼動を開始することを発表した。 研究開発棟の新設と導入予定の 評価装置等に関する総投資額は、約12億円。
台湾はLCDパネルの世界的な大手メーカーが揃う重要な市場であり、LCD用材料はもとよりタッチパネル向けなどの関連部材の市場としても拡大しつつある。 台湾の主要顧客向けの技術サービスは、2007年に設置したJSRマイクロ台湾内のラ ボ施設を使用して行なってきた。今回クリーンルームを備えた研究開発棟を新たに建 設し、製品評価装置を揃えることで、製品開発を現地で一貫して行い、敷地内に隣接する 製造部門にフィードバックすることで、顧客の要求への迅速な対応を可能とする体制を現 地で構築する。さらに、LCD用材料以外の新規ディスプレイ材料やタッチパネルなど 関連する分野の顧客に対する技術サポートについても、同様に現地で主体的に対応していく。
これにより、ディスプレイ用材料について、高いレベルで製造能力、技術開発力、技術サ ポート力を保持する企業として、台湾の顧客企業のニーズに的確に対応していくという。
一方、中国においても、地元企業をはじめとして日韓台の主要企業を含めた多くの液晶パ ネルメーカーの工場新設が計画され、今後の成長が見込まれている。同社グループは、 これらの顧客に対する技術サービス・製品開発体制の強化に取り組んでいる。韓国の JSRマイクロコリアの開発棟新設(2011年7月完成)に続き、今回のJSRマイク ロ台湾での研究開発棟の新設もこうした取り組みの一環をなしている。
<JSR マイクロ台湾研究開発棟の概要> 構 造:鉄骨構造2階建て 延床面積 : 約3,400m²
着 工 : 2011年1月
竣 工 : 2012年2月 投資額 : 約12億円