日本ベルトエンドレス工業会(野村和興会長)は2月14日、大阪市北区のラマダホテル(菊の間)で商工懇談会を開催した。商工懇談会の前には各地区ベルトエンドレス工業会の役員らが出席して市況交換や活動状況などの報告を行い、メーカー側への要望や意見などを取りまとめて商工懇談会に臨んだ。 東部ベルトエンドレス工業会の小熊良治会長が司会を務め、出席者の簡単な自己紹介のあと、野村会長が「足元の悪い中、多くの方のご出席をいただき感謝申し上げる。ベルトエンドレス業界の抱える課題や将来展望など、活発なご意見をいただき、有意義な会としたい」と主催側を代表してあいさつした。
続いて、ゴム商組を代表して西部ゴム商組の湯浅平兵衛副理事長、メーカーを代表してバンドー化学の小林祟秀氏(産業資材事業部関西営業グループ長)がそれぞれあいさつした。
各地区の市況・活動報告は概略次の通り。
〈九州地区〉
宮村七郎氏(㈱宮村ゴム工業)が報告。古い炭鉱の街で、昔はサンダーの代わりに軽石を使ってベルトを接着したという話を85歳の大先輩から聞いた。エンドレスの歴史も結構古いものがある。事業としてはアウトサイダーが多く、全国の会での情報を会員企業に伝え、活性化を図りたい。
〈中国地区〉
土井垣智樹氏(有三次ベルト販売サービス)が報告。会員企業の規模は小さく、こじんまりとまとまって、忙しいときには相互に助ける精神で活動している。
〈四国地区〉
秦幸助氏(㈱秦商事)が報告。現在は取り換え需要は少なく、修理関係がメインとなっている。原子力発電所事故から火力発電所での一部ベルトの取り換えの話もあるが、全体的には需要環境、市況ともに厳しい。
〈中部地区〉
袴田雅彦氏(袴田ベルト工業㈱)が報告。トヨタ自動車を例にあげるとハイブリッド関係だけは忙しいようだ。しかし、自動車生産全体に占めるハイブリッド車の比率はまだ小さく、効果はそれほどでもない。自動車、製鉄、砕石業界はまだ厳しく、期待するのは東北地域の復興関連需要。
〈近畿地区〉
中島啓氏(㈱愛善商会)が報告。原発関連の動きが活発化の傾向にある。しかし、市況面は厳しくなかなか値上げができない環境が続いている。工業会の活動としては、安全を第一に講習会やセミナーなどを企画している。
〈東部地区〉
小熊良治氏(東日本バンドー㈱)が報告。東部地区も比較的アウトサイダーが多い。需要は、数量的には減っており、価格も付加価値をつける価格体系維持が難しい状況にある。今後期待するのは復興関連で、インフラ整備としてのセメント関連。原発の見直しで火力発電が注目され、設備更新としてベルトの取り換え需要に期待する。
このあと、海外品についての品質・コストや本年の価格動向について意見交換が行われ、懇談会は終了した。