ブリヂストンが発表した2011年12月期の連結決算は、売上高が前年同期比6%増の3兆243億円、営業利益が同15%増の1913億円、経常利益が同21%増の793億円で増収増益となった。 タイヤ事業では新興国における需要増を背景にグローバルに需要が拡大、 浸透、国内では震災による自動車減産の影響で、新車用タイヤは一割強減少したが、国内補修用タイヤの販売は堅調に推移した。また、北米、欧州の補修用タイヤは通期では前年並みを確保した。 営業利益は為替円高(370億円)、販管費増(220億円)、原材料価格高騰(2550億円)などの減益要因を、販売数量の増加、売値改善(3138億円)、基盤競争力の向上による戦略商品の拡大(210億円)でカバーし増益となった。
タイヤ事業の売上高は前年同期比7%増の2兆5397億円、営業利益は同21%増となり所在地別すべての地域で増収増益となった。地域別では日本が前期比13%増の695億円、米州が同28%増の619億円、欧州が同60%増の113億円、その他地域が同7%増の482億円。米州ではトラック・バス用タイヤの販売本数が前年を大幅に上回った。 多角化事業は化工品部門での車両部品の販売数量減少や為替円高、原材料価格高騰の影響により売上高は同1%増の5005億円、営業利益は国内事業における利益減少により同57%減の58億円の減益となった。
2012年12月期の連結業績予想は、売上高が前期比7%増の3兆2400億円、営業利益が41%増の2690億円、経常利益が39%増の2500億円、当期純利益が同63%増の1680億円とし、営業利益は円高や販管費増加の影響を値上げやタイヤ戦略商品の販売増などで吸収し、07年実績の2500億円を上回り、過去最高となる見込み。 売上高は国内新車用タイヤが大きく回復する一方、補修用が前年を下回るが新興国での強い伸びを期待しており、すべてのセグメントにおいて増収増益を見込んでいる。
12年12月期の1株当たりの年間配当は中間、期末ともに16円、年間で32円を予定。 12年度の設備投資は前年度比42%増の2850億円を計画、タイブリヂストン、中国工場拡張、ベトナム新工場建設に充当。2012年のグローバルでのタイヤ新ゴム生産は前年度比5%増の199万㌧を見込んでいる。