横浜ゴム㈱(野地彦旬社長)の2011年度の連結決算(11年4月1日~12月31日までの変則9ヶ月決算)は、売上高4651億円、営業利益263億円、経常利益207億円、当期純利益116億円となった。
2011年11月の公表予想に対して売上高はプラス1・1%と微増(51億円増)だったが、営業利益は同25・2%増(53億円増)、経常利益は同38・1%増(57億円増)、純利益は、36・7%増(31億円増)と大幅な増益を達成した。 公表予想より収益が改善した主因は、国内・海外の市販用タイヤ販売の好調な推移、タイヤを中心とした値上げの浸透、コスト削減の進行によるもの。
タイヤ事業は売上高3792億円(予想比1・9%増)、営業利益234億円(同33・5%増)となった。国内新車用はタイの洪水などによる自動車の減産を受けて落ち込んだが、降雪の影響でスタッドレスタイヤの販売が堅調に推移し予想を上回った。海外は欧州を中心に堅調に推移した。
工業品事業は、売上高682億円(予想比2・6%減)、営業利益17億円(同23・4%減)だった。世界的な資源開発の活発化により、マリンホースは引き続き順調に推移したが、ホース配管やシーリング材はタイの洪水の影響で低迷した。 その他の事業(航空部品、ゴルフ用品など)は、売上高177億円(予想比1・5%減)、営業利益12億円(同4・2%減)だった。民間航空機向け化粧室ユニットの交換品が予想以上に伸びたが、ゴルフ用品の販売不振が響いた。
2011年度の配当金は中間配当を1株当たり3円とし、期末配当4円とあわせて年間7円を予定している。
2012年度の業績予想は、11年1~12月実績比で売上高5750億円、3・1%増、営業利益400億円、同49・4%増、経常利益370億円、同67%増、純利益250億円、同120・3%増の増収増益を見込んでいる。国内は前期に東日本大震災やタイ洪水の影響で落ち込んだ新車用タイヤ販売の回復に加え、ロシアなどでの販売拡大を見込んでいる。収益は原材料価格の低下、値上げが粗利、為替の影響を補う。
12年度の設備投資額は過去最高の551億円でフイリピン、タイ、ロシア、ベトナム工場の能力増強を図る。タイヤ販売ゴム量は単独ベースで前年比7・1%増の28万2000トン。
2012年02月17日