九州ゴム工業会 「協力と競争」の仕組み大切
九州ゴム工業会の中島幹雄会長(中島ゴム工業社長)に激動期の工業会運営についてインタビューした。
―工業会の設立について教えてください。
九州ゴム工業会は、ゴム産業の発展を通じて社会に貢献することを目的に、1965年に九州地区のゴム製造業の有志によって設立。以来、年数回の講演会や研修旅行を通じ、最先端ゴム技術や経営ノウハウの習得、会員相互の親睦に成果をあげてきました。90年には国際エラストマーセミナーを開催するなど、国際的活動も行ってきた。
―大転換期を迎えたいま、会の課題について教えてください。
我われは、3つの大きな経済問題に直面している。1つは、バブル経済崩壊後のデフレ経済下で進展した価格競争の激化。2つめは、経済のグローバル化による国内生産の空洞化による需要減少。3つめは、ゴムならびに生産に必要とされる資材の高騰です。
さらに、ゴム製品の開発・生産を支えるべき技術者・現場熟練工の不足にも悩まされている。 これら厳しい環境で生き抜くには、価格競争に勝ち抜くか、非価格競争での勝負に持ち込む以外にない。棘の道です。
―「協調と競争」が大切だと?
我々に必要なことは、まず協力すべきことは協力し合う。「規模の経済性」を実現すること。「競争」すべき点は競争する。健全な成長を行う企業力を養うことです。具体的には、ゴム産業共通の技術問題―最先端技術の習得など―やゴム材の高騰など経営問題には、共同購入など協力して問題解決にあたる。これにより、個々の企業の経営資源をできる限り効率良く使うことと、各社が他社に先んじ競争に勝つため、自らの能力を研鑽し向上させるということです。これら「協力と競争の調和」をめざす企業が集う場所、それが九州ゴム工業会です。会では「協力と競争の調和」の輪を、日本全国そして世界に拡げたいと考えています。
〈九州ゴム工業会〉
・所在地 福岡県久留米市津福本町上津留2305-10
・創設 1965年(昭和40年)8月
・会員 正会員36社
(2010.10.05)