㈱アシックス(本社神戸市、尾山基社長)は、米国mlb(メジャーリーグ ベースボール)シアトル・マリナーズ所属のイチロー選手が2012年シーズンに使用する野球用スパイクシューズを作製した。
同社とイチロー選手は、1995年から当社製シューズに関するアドバイザリースタッフ契約を結んでおり、今回の作製は同契約によるもの。
イチロー選手の野球用スパイクシューズは、「軽さ」と「フィット性」をより高いレベルで実現するため、マラソンや陸上の短距離用など他分野の同社スポーツシューズで使われる素材や機能も取り入れているのが特徴。 今回は、より“素足感覚”で履けるシューズを追求し、歴代モデルの中で最も軽い約230グラム(片足重量)を実現した。
○主な特徴
・型・デザイン
イチロー選手がこだわりを持つ、足首部分を覆うクオーターカットタイプを採用。「光」をテーマに、誰も追いつけないスピードと加速力を表現したグラフィックデザインで、視覚的な軽さや速さも加味している。
・歴代モデルで最軽量の約230グラム(片足重量)を実現
靴底の素材や構造をはじめ、アッパー(甲被)は軽量の人工皮革を使いながらワン ピース構造にすることで縫製箇所を減らす、かかと部のクッション材は独自開発の軽量スポンジ材「ソライト」を採用するなどの工夫を重ね、これまでにない軽さを実現した。
・靴底前部に6本の金具を配した「ディグサスクロウ」を採用
同社が独自に開発した、靴底前部に6本の金具を配した「ディグサスクロウ」を採 用。推進力を生み出す部分と止まるために必要な部分を解析して金具を配置しており、進行方向に向かって特に強く蹴り出せるよう、すべて「く」の字型としている。金具はすべてチタンを使用。また、靴底は、軽量樹脂「ソライト ポリマー」を使って薄く成型しながら、金具と金具の間など一部をくり抜くなどにより軽量化をはかっている。
・細部にまでこだわった「フィット性」
3次元足形計測機でイチロー選手本人の足の形状を測定して靴型を作製している。この靴型を基に各部位の長さや幅、面積などを算出してシューズ作製に生かして おり、優れたフィット感が得られるようになっている。