東ソーグループ(同社、東ソー・ファインケム㈱、東ソー有機化学㈱)に在籍する研究者が、2011年度有機合成化学協会賞(技術的)を受賞した。
有機合成化学協会賞(技術的)は、社団法人有機合成化学協会が毎年、有機合成化学関連産業に革新的な影響を及ぼす研究成果をあげた個人(共同研究者を含む)を表彰するもの。
今回の受賞は、「効率的クロスカップリング反応の開発と工業化」が評価されたもの。「クロスカップリング反応」は、昨年度ノーベル化学賞を受賞した鈴木章教授(北海道大学名誉教授)らが見出した反応であり、産業分野での実用化が望まれていた。
今回の受賞名は「有機合成化学協会賞(技術的)」で、受賞者は江口久雄(東ソー・ファインケム㈱)鯉江泰行(東ソー㈱)西山正一(東ソー㈱)石川真一(東ソー㈱)曽我真一((東ソー有機化学㈱))の5名。
受賞概要の「効率的クロスカップリング反応の開発と工業化」とは、通常、パラジウム触媒を用いるが、工業化に際しては、1塩化物原料が不活性、2触媒が高価(希少金属)等の課題があった。同社グループでは、前記課題を解決した効率的クロスカップリング反応技術(1塩化物原料を活性化できる新規パラジウム触媒、2希少金属を含まない鉄系触媒等)を開発した。この反応技術を用いて、多種の有機ファイン製品(ディスプレイ用材料、レジスト用材料、医薬中間体)の工業化に成功している。