主要上場ゴム企業の2012年3月期第3四半期連結決算が出揃った。合成ゴム2社を含む計25社の業績は、東日本大震災の影響を上期は強く受け、とくに自動車部品メーカーの生産減が目立った。しかしながら、サプライチェーンの早期回復などにより、予想を上回るスピードで需要が回復、第3四半期業績は、収益面は「減益」が15社となったが、売上高は17社が「増収」となった。通期の業績予想は、引き続き回復基調が見込まれており、増収増益予想が11社、増収減益予想は5社となっている。
第3四半期連結決算の業績内訳をみると「増収増益」企業が9社、「増収減益」が8社、「減収増益」1社、「減収減益」7社となり、25社中17社が増収となったが、一方で収益面は25社中15社が減益となり、販売は伸びたものの収益は悪化したと言えよう。
25社合計の売上高は2兆1236億9100万円で、同一企業での前年同期の対比では98・5%とわずかながら減少した。豊田合成をはじめ、NOK、東海ゴム工業、アキレスなど大手企業の減収が全体の減少に影響した。
収益面(損失はゼロで計算)は、営業利益が25社合計で1342億9600万円、同18・4%減、経常利益は1394億7800万円、同12・6%減、四半期純利益は768億1000万円、同20・4%減といずれも2ケタ減益となった。
今年度は震災の影響や福島原子力発電所事故、さらにはタイ洪水などで生産拠点に甚大な被害を受けたゴム企業も多く、現在もなお復旧に全力をあげている被災企業もある。
一方、通期の業績予想については、需要水準は引き続き回復傾向を示し「増収増益」予想企業は11社となったが、「減収減益」予想企業も9社あり、新年度以降の景況判断は依然難しい局面にあるようだ。
なお、通期業績予想の売上高合計は2兆8980億1500万円、営業利益は1815億2900万円、経常利益は1847億500万円、当期純利益は1047億5400万円となった。