BASFは、化学品および医薬品のドイツ企業メルクから高機能バッテリー用電解液事業を買収した。買収合意の詳細は両社の合意により公表していない。
買収の対象となるのは、メルクが開発、市場導入したバッテリーの性能を高める技術と製品で、メルクの取得特許も含まれる。Selectilyte®ブランドで販売されている電解液材料の全製品、リチウムイオン・バッテリー(LIB)の製造に使われる各種添加剤ほか、新規電解質や添加剤関連のメルクの研究ポートフォリオも対象となる。今回の買収を通じて、革新的なソリューションが加わることで、BASFはリチウムイオン・バッテリー(LIB)関連の電解液事業を強化する。
BASFの Dr.アンドレアス・クライマイヤー取締役兼リサーチ・エグゼクティブ・ディレクターは、「今回の買収により、BASFは、世界各地の自動車メーカーおよびバッテリー・メーカーに提供するノウハウを充実させることができる。ダイナミックなこの市場において、BASFはバッテリー・メーカーのソリューション志向型のパートナーとなることを目指している。電解液のサプライヤーとして信頼され、画期的なカスタム・ソリューションをバッテリー・メーカーに提供することを掲げるBASFにとって、メルクが開発した電解液ポートフォリオと彼らが確立した市場チャネルは強力な支援となるだろう。」と述べている。
2011年5月にBASFは、高品質の電解液フォーミュレーションを開発し、バッテリー・メーカーに販売するグローバルな電解液チームを設置した。このチームは当初BASFの中間体事業本部に置かれていたが、2012年中には、BASF触媒事業本部に新設されたバッテリー材料ユニットに統合される予定。
BASFでは、バッテリー材料の研究、開発、製造に今後5年間で総額数億ユーロの投資を計画している。リチウムイオン・バッテリー用材料の開発ほか、リチウム硫黄電池やリチウム空気電池といった新しいコンセプトのバッテリーについても研究を進めている。