合成ゴム、TPE製品の値上げが相次いでいる。昭和電工がCRの値上げを発表したのに続き、旭化成ケミカルズがBR、SBR、TPEを、ダウ・ケミカル日本がEPDMの価格改定を発表した。
中東情勢の緊迫から原油価格が上昇、アジア地域での旺盛な石化製品需要を背景に国産ナフサ価格が急騰しており、本年4―6月期には6万円/kl超も予想され、合成ゴム、TPEメーカーの価格改定が本格化した。
昭和電工に引き続き、旭化成ケミカルズ㈱が合成ゴムおよび熱可塑性エラストマーの価格改定を行うと2月27日、発表した。
対象製品はBR、SBR(油展・非油展)の「ジエン、タフデン、アサプレン」、スチレン系特殊透明樹脂「アサフレックス」、スチレン系TPE「タフプレン、アサプレンT、タフテック、SOE等」。改定幅はBRがキロ当たり80円、SBR(油展)は同45円、SBR(非油展)が同60円、スチレン系特殊透明樹脂は同35円、スチレン系TPEは同60円。実施は3月12日出荷分より。
原料価格およびコンバージョンコストが想定を超えた高値で推移、また、主原料の一つであるブタジエンはより一層の需給タイト化が進み、市況もこれまでにない高水準で推移している。こうした環境下で各製品の安定供給を図るためには製品価格に反映させることが不可欠と判断した。
また、ダウ・ケミカル日本㈱は28日、エラストマー製品の値上げを発表した。対象製品はEPDM「ノーデル」で、キロ当たり20円の改定幅。実施は3月10日出荷分より。
原料価格の高騰に伴う採算の悪化に加え、エラストマー製品の需給バランスが安全に崩れており、同社は安定操業と供給確保を図ることを狙いに価格改定する。
JSR㈱は3月1日、合成ゴム・エマルジョン製品の価格改定を3月15日納入分から実施すると発表した。
原材料価格の上昇に伴い、製品コストの上昇に加え、ユーティリティなどのコスト上昇に対応するもの。
中でも主原料のブタジエンは、世界的な需給逼迫を背景に市況価格が高騰しており、同社の自助努力だけではこの状況を乗り切ることは不可能と判断、安定的な製品供給を続けるために価格修正に踏み切る。
主要製品の価格改定幅(キロ当たり)は次の通り。
▽SBR=62円▽BR=80円▽NBR=53円▽EP=15円▽IR=42円▽RB=80円▽DNR=72円▽TR=56円▽SIS=40円▽PCL=40円▽一般産業用LTX=60円。
クレイトンポリマージャパン㈱は、クレイトン製品の価格を4月1日納入分から値上げすると3月1日、発表した。
対象製品群はクレイトンDSBS、油展SBS。修正幅はクレイトンG(SEBS、SEPS)がキロ当たり36円、油展SBSはキロ当たり32円。
クレイトンポリマージャパンでは「主原料やエネルギーコストが上昇しており、世界的に不安定な経済状況下で、責任ある供給を継続するためには速やかな価格転嫁が不可欠と判断した」としている。
2012年03月05日