前年比微増の１６０万㌧大台確保 出荷数量減も販売額は増加
２０１１年年間の合成ゴム生産実績は東日本大震災の影響を受け上期は一時的に減産を余儀なくされたが、下期以降、自動車生産の回復に伴いタイヤはじめ自動車用ゴム部品の需要が回復し、高水準であった２０１０年実績を若干上回る結果となった。
合成ゴム工業会がこのほどまとめた経済産業省統計に基づく２０１１年年間の合成ゴム生産、出荷数量によると、合成ゴム生産量は前年比１０１％の１６１万１２０９トンとなり、１６０万トンの大台を確保した。また、出荷数量は前年比96・６％の１４４万９７３７トンとなった。
２０１１年の合成ゴム生産は上期には11年３月の東日本大震災の影響による自動車生産減や主要合成ゴムの供給不足もあり低調に推移したが、自動車生産の回復とともに需要旺盛なタイヤ生産に支えられ、下期以降は順調な回復をみせ、リーマンショック後の09年実績１３０万トンを30万トンも上回る高水準となった。
一方、合成ゴム出荷販売額は前年比１０２・２％の５６７９億４２００万円となり、出荷数量が前年実績をを割り込んだのに対し、販売額が前年実績を上回ったのは原材料価格高騰に対応した製品価格への転嫁が含まれているためとみられる。
生産、出荷ともに前年実績を上回っているのはＣＲ（クロロプレンゴム）、その他（シリコーンゴム、フッ素ゴムなど）でＣＲはフル生産、フル販売が続いている。
また、財務省統計による２０１１年年間の合成ゴム輸出実績は出荷数量が前年比92・８％の69万９４５８トン、出荷販売額は前年比１０８％の２２３３億９７００万円となっており、海外市況での価格転嫁がみてとれる。品種別では唯一、ＩＩＲ（ブチルゴム）が出荷数量、金額ともに前年実績を大きく上回っている。
