カネカ 透明性と耐熱性を両立 コンビニ弁当向け樹脂シートを開発

2012年03月09日

ゴムタイムス社

 ㈱カネカ(大阪市 本社 菅原公一 社長)の連結子会社、龍田化学㈱(東京都中央区 本社 長野武士 社長)はコンビニ弁当や惣菜のふた等向けに電子レンジ調理にも対応できる高耐熱性能で透明性を有するポリプロピレン樹脂シートを開発し販売を開始する。

 コンビニ弁当や惣菜のふたは中身が見えるように透明性の高い素材として主にアモルファスポリエステル(以下A-PET)シート、延伸ポリスチレン(以下OPS)シートが使われているが、A-PETシートは透明性があるものの耐熱性が60℃と低く、OPSシートは耐熱タイプがあるものの耐油性に劣る欠点があった。

 コンビニ弁当は中身が良く見えることが購買意思決定に影響し、透明性が要求される。この用途は電子レンジで調理されることが多いため、熱で容器が変形しない耐熱性能も併せて要求される。この樹脂シートは両方の性能を兼ね備え、ニーズを満たすものとして開発された。

 この開発商品は二次成形時の熱履歴を考慮して樹脂組成、成形条件、加工設備を組み合わせたことで今までにない、ポリエステルに匹敵する透明性と従来の成形用ポリプロピレンに勝る剛性を実現することに成功した。また、ポリプロピレンの特徴であるソフト感により他の樹脂で起こりやすいシャープエッジ(成形後の切り口の硬さ・鋭さ)による問題が起こりにくい特長も有している。

 電子レンジ調理容器市場は240億円/年(株式会社日本経済綜合研究センター調べ)といわれている。当開発商品の特長を活かしてコンビニ弁当、惣菜容器のみならず電子レンジ調理容器市場向けに3年後に30億円の販売を目指す。

関連キーワード: ···

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー