日本ゴム工業会 理事会の詳報

2011年07月25日

ゴムタイムス社

〈原油およびナフサ価格の動向〉
原油並びにナフサ価格の月間平均値の推移をみると、4月はリビアの内戦から再び110ドルを超える水準となったが、5月以降は、北アフリカや中東情勢の膠着化に伴って下落している。傾向的には在庫が増加傾向にあるWTIに対し、欧州でリビアの減産に伴う需給懸念が強いことから、北海ブレントがWTIを大幅に上回る状態が続いており、ドバイ原油も北海ブレントに連動してWTlを上回っている。この結果7月の月間平均値(15日現在)は、WTIが96・7ドルに対して、ドバイ原油は109・1ドルとなっている。
国産ナフサ価格と東京オープンスペック価格を円/klに換算した価格の状況については、国産ナフサ価格は、1~3月が2期連続の上昇で5万2400円とリーマンショック以降で最も高値水準となったが、4~6月も当初の予想よりは低くなる見通しながら、5万9000円前後に続騰が見込まれる。この価格見合いで合成ゴムをはじめとする石化系の原材料について値上げが相次いでいる。
〈天然ゴムの動向〉
中国を中心とした需要の拡大、産地の天候の影響による供給不安から2月の月間平均値は、当限で514円、先隈で499円と他の商品相場と比べて突出した上昇となった。その後、5月以降は原油価格の下落傾向、景気の減速懸念から値を下げ、7月は当限が380・1円、先限が375円となったが、昨年の高値水準(4月)とほぼ同額と依然高止まっている。
なお、営業倉庫在庫は、6月は6802トンと2ヵ月連続の減少となった。
〈主要原材料の出荷動向〉
5月までの状況でみると、合成ゴムについては3月以降前年実績割れ、カーボンブラックは、3~4月とマイナスで推移したが、5月はタイヤ向けがプラスとなり、全体では前年比横ばいまで回復。一方、塩ビは6月は、生産が8ヵ月ぶりにプラスとなり、国内出荷も引き続きプラスで推移しているが、輸出は前年実績割れが続いている。
〈企業物価指数の動向〉
主要原材料の日銀の6月企業物価指数の状況をみると、全ての指数が100を上回っている。指数が一番高いのは天然ゴム(240・7)で以下、C重油(174・5)フタル酸系可塑剤(153・2)、A重油(152・8)、合成ゴム(145・0)、塩ビ樹脂(136・3)、カーボンブラック(131・0)、トルエン(125・9)、酸化チタン(120・2)、熱延薄板(109・4)、冷延薄板(107・9)、有機ゴム薬品(105・5)となった。
前月比では、合成ゴム(プラス7・0%)、酸化チタン(プラス1・6%)、カーボンブラック(プラス1・0%)の3品目が上昇した。下落したのは天然ゴム(マイナス5・4%)、A重油(マイナス4・7%)、トルエン(マイナス2・4%)、熱延薄板(マイナス0・8%)で、残り5品目は横ばいとなった。

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