パナソニックなど 高熱伝導率のゴム開発 面方向で200倍

2012年03月09日

ゴムタイムス社

 パナソニック㈱、パナソニック プロダクションテクノロジー株式会社、パナソニック ポリテクノロジー株式会社は、ゴムにグラファイトパウダーを分散させ、ゴムの柔軟性を維持しつつ、高い熱伝導率を有するゴム「グラファイト含有ゴム」を開発した。
 本開発のゴムの熱伝導率は、一般的なゴムに比べて、面方向で200倍、厚さ方向で3倍を実現している。本開発のゴムを用いれば、振動吸収と放熱を同時に実現でき、車載用の電子回路の防振対策と放熱対策などの用途を含め、幅広い応用展開が可能となる。量産サンプルは、4月より提供する予定。

 車載用の電子機器は、防振対策と放熱対策が必要となるが、従来の対策では、防振にはゴムやプラスチックを使い、放熱には銅、アルミニウムなどの金属を用途別に使い分けていた。本開発のゴムを使用すれば 防振と放熱が同時に実現できるため、防振対策部材と放熱対策部材をコンパクトにまとめることができる。また車載用に限らず、素材に柔軟性と熱伝導率を要求される分野への広範囲な展開が考えられる。同社は同技術で国内2件、海外1件の特許を出願している。

 本開発のゴムの特長は、1.熱伝導率は、一般的なゴム材の0.1W/m・K[3]に対して、面方向は20W/m・Kと200倍、厚さ方向は0.3W/m・Kと3倍を実現。

2.熱が伝導する方向を自由に設計可能。3.ゴムの持つ柔軟性は損なわれないため、防振性を維持。
などがある。

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