㈱ブリヂストン(荒川詔四社長)はタイヤの主要原料の中で大きなウェイトを占めるパラゴムノキ由来の天然ゴムに代わるあらたな天然ゴム資源「グアユール」の実用化に向けた試験生産を2015年までに開始する。
「グアユール」は、米国南西部からメキシコ北部の乾燥地帯が原産の低木で、その幹部などに天然ゴムを含んでいる植物。 在来の天然ゴムと同様、植物がうみだすバイオマテリアルで従来のパラゴムノキとは全く異なる土地で栽培される。同社では実用化が可能になればタイヤの原材料供給源の多様化につながり、現在の天然ゴム産出地域への一極集中の緩和につながると共に、天然ゴム資源の価格の高騰を抑え、米国での地域生産地域消費によるメリット等も期待されるとしている。
研究開発活動は米子会社のBridgestone Americas Tire Operationsの専任チームが米国南西部で2012年にあらたに設置する試験農場と2014年に本格稼働を目指す加工技術研究施設において行い、2015年までに試験生産を開始する予定。
ブリヂストンではサプライチェーンの主要部分である農学と加工プロセスの双方を検討し、競争力に優れたタイヤ用天然ゴムの製造を目指して、「グアユール」の品種改良や栽培技術、天然ゴム加工のプロセス条件において最適化を行う。同社では1980年代から1991年にかけて「グアユール」のバイオマスから、タイヤ用ゴムを回収するアメリカの国家プロジェクトで、天然ゴム加工プロセス開発やタイヤ実証を担った経験があり、この経験も研究開発に活かしていく。
同社ではあらたに投入する資源は資源の循環利用や再生可能資源の利用拡大に寄与するものとし、タイヤの原料を100%サステナブルマテリアル化することを目指しており、資源循環技術搭載のプロトタイプタイヤなど順次発表していく方針。