日本グローブ工業会は、2011年の家庭用手袋、作業用手袋及び医療用手袋の国内販売数量実績を取りまとめた。
これによると家庭用手袋は合計で9392万6千双で前年比98・4%となったが、作業用手袋が1億2709万6千双、前年比105・9%、医療用の手術手袋も7235万双で前年比100・6%といずれも前年実績を上回った。 〈家庭用手袋〉 家庭用手袋の販売数量は合計で9392万6千双で前年比98・4%となり、需要のピーク時からは数%程度減少している。原材料の高止まりによるコストアップもあり、一部海外安値品に流れている面も見られる。 品種(素材)別前年比はビニール手袋97・6%、ゴム手袋101・5%、ニトリル手袋93・6%であった。なお、一般用極薄手袋は17億3304万7千枚、前年比110・4%と、この数年は年率10%前後の伸びが続いており、ユーザーの用途の多様化とともに簡便化(使いきり)傾向も感じられる。 〈作業用手袋〉 作業用手袋の販売数量は合計で1億2709万6千双、前年比105・9%で2年連続の上昇となり、リーマンショック前のレベルに回復した。東日本大震災直後は産業向けを中心に一時低迷したが夏以降ほぼ正常に戻ったと思われる。品種別前年比は全面コート117・1%、片面コート94・8%、防寒タイプ129・6%であった。 〈医療用手袋〉 医療用手袋のうち、手術用手袋は7235万双で前年比100・6%、パウダーフリー比率も45・7%と前年比4ポイント上昇した。品種別前年比はパウダー付き93・7%、パウダーフリー110・2%であった。歯科用手袋(ペアタイプ)は371万4千双、前年比95・9%で歯科医院の現状を反映して漸減傾向が続いている。品種別前年比はパウダー付き99・2%、パウダーフリー95・2%であった。検査・検診用手袋は6億2180万枚、前年比95・0%となった。品種別前年比はゴム手袋82・8%、ビニール手袋92%、ニトリル手袋363・2%であった。工業会では海外からJIS規格を満たしていないと思われる製品が相当流入しており、改めて各医療機関へJIS規格の周知徹底をはかり、医療機器として適した製品の使用を啓蒙するとともに、会員外の協力も求めていきたいとしている。