㈱カネカは、原料高騰を受け塩化ビニール樹脂(PVC)の販売価格を修正する。
具体的には、現行価格に対しキログラム当たり15円以上の値上げとし、4月11日納入分より実施する。対象は汎用PVCの他、塩ビペースト樹脂、架橋塩ビ、酢ビコポリマー、塩素化塩ビ等全ての品種。
現状の価格は、国産ナフサはキロリットル当たり52000円/KL程度のコストを前提としている。イラン情勢の緊迫化から原油価格は急騰しており、加えて、ナフサはアジアでのナフサクラッカーの稼動率上昇により原油以上に騰勢を強めている。最近の円安傾向も考慮すると、4月以降のナフサ価格は62000円~65000円/KL程度を想定せざるを得ない状況となっており、またユーティリティコスト等の上昇も収益を圧迫する要因となっている。
同社は、特殊塩ビの拡販やコスト圧縮など、事業収益の改善に努めてきたが、原料価格の騰勢に対して、自助努力だけでは限界に達しており、事業存続のためには、需要家への価格転嫁も避けられない状態となった。
値上げは、4月11日納入分より、キログラム当たり15円以上としている。