日立化成 香港で半導体パッケージ用配線板材料の生産開始

2012年03月16日

ゴムタイムス社

 日立化成工業㈱のプリント配線板用銅張積層板を製造する香港の子会社 Hitachi Chemical Electronic Materials(Hong Kong)Limited(以下、HCEM(HK))はこのたび、約10億円を投じて設備を増強し、半導体パッケージ用のプリント配線板用銅張積層板を生産すると決定した。今年7月からサンプル提供を開始し、量産体制を整える。

 プリント配線板用銅張積層板は、PC向け半導体パッケージ、高速サーバーや携帯基地局向け等のハイエンド分野に加え、自動車部品、携帯電話およびサーバー向け等のミドルレンジ分野でも需要増加が見込まれている。

 HCEM(HK)は昨年11月、日立化成が出資比率を75%に引き上げ、連結子会社化して以降、主にミドルレンジ分野の需要増に対応するために、日立化成製品の生産を立ち上げてきた。一方、半導体パッケージ用製品を中心とするハイエンド分野については、日立化成の下館事業所および下館事業所(五所宮)(ともに茨城県筑西市)で製造し、需要の増加に応じて設備能力を高めてきたが、震災以降、顧客から生産拠点の複数化を求める声が高まっていた。

 そこでHCEM(HK)は、約10億円を投じて設備を増強。低熱膨張で高弾性という優れた特徴を持つ半導体パッケージ用のプリント配線板用銅張積層板を生産することを決定した。今年7月からサンプル提供を開始し、量産体制を整えるとしている。

 同社グループは、本投資により半導体パッケージ用製品の海外生産が可能となり、事業継続計画(Business Continuity Plan)の対応が図れるとともに、高品質が求められる半導体パッケージ用製品の生産体制を確立することで、ミドルレンジ分野の製品の生産においても、効率向上や品質向上などのシナジーが生み出されると考えている。
 また、プリント配線板の世界最大市場であり、多くの顧客が生産拠点を構える中国に、短期間で製品供給が可能となるため、今後は顧客へのサービス体制を一層強化するとともに、引き続き成長が見込める中国市場での新規拡販を加速していくという。

 同社グループでは、日本、香港、中国(広州)にプリント配線板用銅張積層板の生産拠点を構え、今後も最適な生産体制の構築による生産効率向上と高品質な製品の供給を行っていくとしている。

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