宇部興産㈱は、多層カーボンナノチューブ(AMCR)を事業化する。宇部ケミカル工場(山口県宇部市)内に、年産20㌧能力のAMCR製造設備の建設を進めており、本年10月から稼働させる予定。
AMCRは、独自開発の触媒と製法により、繊維構造の中に釣鐘構造(節構造)を持たせ、分散性および導電性に最適な性能を実現している。飛散しにくくハン ドリング性が高い点が特徴で、生産効率改善への貢献も期待できる。パウダー・溶媒・ペレットの3つの形状で製品提供する予定。同社はリチウムイオン電池用 電解液・セパレーターを生産してきた技術・経験を活かし、AMCRを電池分野における新しい機能材料として、リチウムイオン電池の正極・負極の導電助剤と しての需要拡大を見込んでいる。
事業計画は2015年度に50億円から100億円の売上高を計画している。
2011年06月27日