日本自動車タイヤ協会(JATMA)は7月20日、2011年の自動車タイヤ国内需要年央見直しの結果を発表した。東日本大震災の影響により、経済成長率は当初の0・7%からマイナス1・0%と下方修正され、環境は震災直後から激変、国内自動車生産の大幅減により、新車用タイヤの需要は下方修正され、全体では当初見通しに比べ743万本減の3917万本、前年対比84%の水準と予想された。一方、市販用のメーカー出荷需要は、四輪車合計では同439万本増の6706万本、前年比104%と上方修正された。 自動車生産動向をみると、震災の影響で当初見通しを大幅に下回る807万台、前年比84%と見込まれ、国内販売台数も当初見通しの前年比88%から83%へ、輸出台数は当初見通しの前年比プラスから85%へそれぞれ下方修正されるなど環境は大きく悪化した。 これを受けて、新車用タイヤの国内需要については乗用車用、小形トラック用、トラック・バス用とも当初見通しを大きく下回る予想となり、全体では3917万本、前年比84%で当初との差異では743万本減となる。 新車用タイヤ需要の品種別動向は次の通り。 〈乗用車用タイヤ〉 上期実績は、東日本大震災により生産台数が大幅に減少したため1436万本、前年比70%となった。下期は回復基調ながらも前年を下回ると見込み、年間では当初見通しより664万本減、前年比で17ポイントマイナスの3389万本、前年比83%に修正した。 〈小形トラック用タイヤ〉 乗用車用タイヤと同様に、上期実績は188万本、前年比76%。下期は前年並みとし、年間では当初見通しより67万本減、前年比で15ポイントマイナスの441万本、前年比88%に修正した。 〈トラック・バス用タイヤ〉 上期実績は40万本、前年比89%。下期は前年を上回ると見込まれるが、年間では当初見通しより12万本減、前年比で16ポイントマイナスの88万本、前年比98%に修正。 市販用タイヤ販社販売および在庫により、メーカー出荷需要を算出すると、四輪車用計の夏冬合計では当初見通しより439万本増、前年比で7ポイントプラスの6706万本、前年比104%となった。 市販用タイヤの販社販売需要動向は次の通り。 〈乗用車用タイヤ〉 夏用タイヤの上期実績は、値上げに伴う仮需などから前年比108%となった。下期は、その反動から前年比92%とし、年間では当初見通しより65万本増、前年比で2ポイントプラスの3406万本、前年比101%に修正した。冬用タイヤの上期実績は、降雪により大幅増。下期は被災車両の買い替えに伴う需要増があるものの前年の降雪とエコカー補助金による新車増加の反動が大きく、前年比93%とした。 〈小形トラック用タイヤ〉 夏冬合計では、上期実績は前年比110%となり、下期は前年比94%と見込んだ。年間では当初見通しより49万本増、前年比で3ポイントプラスの1310万本、前年比101%に修正した。 〈トラック・バス用タイヤ〉 夏冬合計では、上期実績は値上げに伴う仮需と震災の復興需要により、前年比115%となった。下期は仮需の反動があるものの冬用タイヤの復興需要が加わるため前年並みと見込んだ。 年間では当初見通しより43万本増、前年比で7ポイントプラスの496万本、前年比106%に修正した。
2011年07月25日